2019年07月09日、日本のキャッシュレス決済を取り巻く環境に激震が走りました。世耕弘成経済産業相は、閣議後の記者会見において、セブン&アイ・ホールディングスが展開する「セブンペイ」で発生した不正利用問題に対し、非常に厳しい姿勢を打ち出しています。消費税増税に伴うポイント還元事業への影響も懸念されており、政府の本気度が伺える内容となりました。
今回の問題の焦点は、2019年10月の増税に合わせて実施される「キャッシュレス・ポイント還元事業」です。これはクレジットカードやQRコード決済を利用した際に、国がポイント分を補助する仕組みを指します。世耕氏は、事業に参加する他の決済事業者に対しても、セキュリティ対策の再点検を強く要求しました。もし対策が不十分と判断されれば、還元事業の対象から除外するという厳しい方針です。
さらに経済産業省は、不正への備えが甘い事業者に対しては「補助金の返還を命じる」という踏み込んだ罰則の可能性にも言及しました。SNS上では「セキュリティが甘いまま普及を急ぐのは本末転倒だ」といった厳しい批判が相次ぐ一方で、「政府がこれほど強い姿勢を見せるのは利用者として安心できる」という歓迎の声も目立っています。国民の関心は、利便性よりもまず安全に向けられているのでしょう。
信頼回復が急務、キャッシュレス社会の未来を守るために
ここで改めて「キャッシュレス決済」という言葉の意味を整理しましょう。これは現金を使わずに、電子的なデータで支払いを済ませる方法の総称です。現在、スマートフォンのアプリを使ったQRコード決済などが急速に普及していますが、個人の資産をデジタルで扱う以上、サイバー攻撃やなりすましを防ぐための高度なセキュリティ、いわゆる「安全対策」の徹底は何よりも優先されるべき課題といえます。
編集部としての見解を述べさせていただきますと、今回の経産省の決断は、キャッシュレス社会を根底から支える「信頼」を守るための妥当な措置だと考えます。どれほど魅力的なポイント還元があっても、自分の口座が危険に晒されるようなサービスを誰も使いたいとは思いません。技術革新のスピードに、企業の安全意識が追い付いていない現状を、今こそ業界全体で見直すべき重要な局面です。
不正利用への不安を払拭し、消費者が安心して「便利さ」を享受できる環境を構築しなければ、キャッシュレスの普及は一時的なブームで終わってしまうでしょう。各決済事業者には、政府の厳しい通告を真摯に受け止め、二度と同様の事態が起きないような堅牢なシステム構築を期待して止みません。2019年10月の本番スタートに向け、真の安全性が問われる戦いは既に始まっているのです。