車いすラグビー日本、米国を下し初の金メダルへ──堅守と粘り強さで掴んだ勝利の行方

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第3ピリオド残り3分余り、車いすラグビー日本代表は試合の山場を迎えました。粘り強く守備を固める日本チームにとって、ここが正念場でした。ベテランの池崎選手は「今大会のゲームプランは、自分たちの戦い方を貫くこと」と語り、まさにその言葉通り、チーム全体で徹底した守りを見せつけました。対戦相手は前回銀メダルを獲得した強豪アメリカ。その実力を前にしても、日本は崩れることなく自らのリズムを守り抜き、試合の主導権を引き戻しました。

この試合は序盤から2点以上の差がつかない緊迫した展開が続き、観客も息を飲むような展開となりました。先行していた日本でしたが、反則による認定トライで一時リードを奪われる場面も。しかし、選手たちは誰一人として落胆する様子を見せませんでした。すぐに橋本選手が鋭い突破で同点に追いつくと、続けて池選手がスチール(相手からボールを奪うプレー)を成功させ、勝ち越しのトライを決めました。

その後も日本は執拗な守備を展開し、アメリカにミスを誘発させて連続得点を重ね、精神的にも優位に立ったまま最終の第4ピリオドを迎えました。池選手は「守備が非常に効果的だった」と振り返り、障害が軽い選手である橋本選手や池選手が素早い動きで相手のパスを阻止。一方で、障害が重い草場選手らも巧みな位置取りで先を読み、アメリカに大きなプレッシャーを与え続けました。

この勝利は一昨年の世界選手権準決勝での悔しい敗北を晴らす形となり、見事に強敵アメリカへの雪辱を果たしました。特筆すべきは、日本が相手より3つ多い5個のスチールを記録したこと。この守備での圧倒的な優勢は、試合のデータにも表れており、点差以上に内容で勝る快勝だったと言えます。

日本チームは、この勝利で初の金メダル獲得へ向けて大きく勢いづきました。選手一人一人の堅実なプレーとチームワークが生んだこの勝利は、多くのファンの胸を熱くさせると同時に、さらなる期待を抱かせるものだったでしょう。4年後の大会を見据え、今後も日本チームの活躍に目が離せません。

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