山梨県の富士桜カントリークラブで行われたフジサンケイクラシックは、悪天候による影響で3日連続のサスペンデッド(競技一時中断)となりました。この日も降雨によってコース状態が悪化し、54人の選手が第2ラウンドを完了できないまま終了しました。その中で際立ったのが、ツアー3勝の実績を持つ平田憲聖です。ボギーを一切出さずに7つのバーディーを奪い、パー70のコースを63で回る快挙を見せました。通算9アンダーという素晴らしい成績で暫定ながら単独首位に立っています。
平田選手の後を追うのは、5打差で木下稜介、生源寺龍憲、坂本雄介の3人。さらに、細野勇策が13番までに7アンダー、南アフリカのショーン・ノリスが11番終了時点で6アンダーにつけており、上位陣は混戦模様です。一方、初日のラウンドで首位だった河本力は14番までにスコアを3アンダーまで落とし、苦しい展開となっています。
今大会は当初から54ホールでの競技成立を目指していましたが、天候の影響で思うように進行していません。9月1日はまず第2ラウンドの残りを消化し、可能な限り競技成立を目指す予定です。しかし、台風の進路によってはプレー再開自体が難しく、大会が不成立となる可能性も否定できません。
そんな中、平田選手の「63」というスコアはまさに圧巻でした。10番ホールからスタートし、前半でスコアを3つ伸ばすと、折り返し直後の1番ホールでもバーディーを奪取。その後、3番ホールではピンチを迎えましたが、4メートルのパットをカップ右から沈めて見事パーセーブに成功しました。6番パー5では同じ距離からバーディーパットを決め、さらに勢いに乗ります。そして、8番と9番では連続バーディーを奪い、この日のラウンドを締めくくりました。
平田選手は「ティーショットをフェアウェーに置くことを意識していた。ショットの調子は完璧ではないが、イメージ通りに打てている」と語り、冷静な判断と計算されたプレーが好結果を生んだことを示しています。特にパッティングでは前後半合わせてわずか22パットという安定感を見せ、富士桜で自身のベストスコアをマークすることに成功しました。
この快進撃が実を結ぶかどうかは、天候次第です。今季2勝目を狙う平田選手は「天候は天に任せるしかない。まずは富士山を覆う雲の様子を見守る」と話し、台風の影響に不安を抱えながらも落ち着いた様子でした。果たして大会は無事成立するのか、平田選手の優勝が決まる瞬間を見届けたいものです。