北海道の美しい離島、利尻島(りしりとう)で昨年5月、実に106年ぶりに上陸が確認され、島民や観光客を一時騒然とさせたヒグマの出没騒動が、いよいよ終息を迎える見通しとなりました。北海道と利尻町、利尻富士町は、本格的な観光シーズン最盛期を迎える前の2019年6月末をめどに、「終息宣言」を出す方針を固めたことが、2019年6月2日までに分かりました。
このニュースは、SNSでも大きな話題となっています。「やっと安心して観光できる」「島の人たちの努力が報われた」「ヒグマも無事にどこかへ行ったのかな」といった安堵の声や、島の安全を願うコメントが多く寄せられています。ヒグマは北海道本土などでは日常的な存在ですが、利尻島は長らく「ヒグマのいない島」として知られてきたため、この一件は多くの人にとって驚きをもって受け止められていたのです。
地元自治体は、昨年7月以降、新たな痕跡が見つかっていない状況を受け、この終息宣言に向けて準備を進めています。両町は現在も引き続きパトロールを実施し、島民へ情報提供を呼びかけるなど、最後の最後まで警戒を緩めていません。この徹底した対応こそが、島民の安全と観光客の安心を守ることに繋がると信じています。
振り返りますと、ヒグマの初めての足跡が確認されたのは2018年5月30日のことでした。その後も林道などで、ふん(ヒグマの排泄物)や足跡が次々と見つかり、島中に緊張が走りました。そして、同年6月には赤外線カメラがヒグマの姿を鮮明に捉えるに至り、その存在が確定したのです。
専門家による推測では、このヒグマは成獣の雄1頭であったと見られています。ヒグマは、繁殖期になると雌を求めて広範囲を移動する習性があり、本土から利尻島まで、約20キロメートルもの津軽海峡を泳いで渡って来た可能性が高いとのことです。この事実から、ヒグマの持つ驚異的な生命力と行動範囲の広さを改めて思い知らされます。
幸いにも、2018年7月12日を最後に、その後の痕跡は一切途絶えました。これを受け、同年10月末の連絡会議で、両町などは警戒を続ける方針を確認していました。特に、ヒグマが冬眠から目覚める雪解けの時期、つまり春先にかけて痕跡がないか厳重に警戒し、そして、今回の決定に至った2019年6月中に何も発見されなければ終息宣言を出すという判断基準を定めていたのです。この判断基準は、島民の不安を長期化させないための、非常に合理的で迅速な対応だと評価できます。
終息宣言が出されれば、利尻島は再び「安全な島」として、夏を迎える準備を整えることができます。雄大な利尻山と、美しい自然が広がる利尻島の魅力を、多くの人々に安心して堪能していただきたいと強く願っています。