広島が破竹の勢いでJ1首位に躍り出ました。同一シーズンではクラブ史上初となる7連勝を達成し、勝ち点55で町田と並び得失点差で首位に浮上。FC東京戦では今夏加入したアルスランが圧巻のハットトリックを披露し、広島を3-2の勝利に導きました。この試合後、アルスランは「自分ひとりの力ではなく、何よりチームの勝利が大事」とサポーターの声援に照れくさそうに応えていました。
試合開始からわずか5分、アルスランはペナルティエリア内でこぼれ球を拾い、冷静なフィニッシュで先制点を決めます。続く32分にはゴールエリア右付近から巧みに右足を振り抜き、相手GKの股間を抜いてネットを揺らすという鮮やかなゴールを見せました。そして63分には、自らが獲得したPKをしっかりと決め、ハットトリックを達成。圧倒的な存在感を示したアルスランは、今季広島における新たな得点源としての地位を確立しています。
このドイツ国籍の34歳MFは、大橋の海外移籍による穴を埋めるべく期待されて加入。これまでトルコやイタリアのクラブで主力を務めてきた実績を持ち、その経験を存分に生かしています。出場5試合で5得点という驚異的なペースでゴールを量産し、チームを勢いづけています。
スキッベ監督も「ボールコントロールが巧みで、得点能力の高い選手を補強できたのは大きい」とアルスランへの信頼を口にします。広島は新スタジアム元年で9年ぶりのJ1制覇を狙うシーズン。これまで順調に積み上げてきた勝利に加え、アルスランという新戦力が加わったことで、タイトル獲得への勢いはますます増していくでしょう。
一方、町田は浦和戦で試合終了間際にエリキの同点ゴールを許し、2-2の引き分けに終わったことで得失点差で2位に後退。湘南は鳥栖を2-1で下して連敗を2で止め、東京Vも柏に競り勝ち連勝を飾るなど、J1は終盤戦に向けて熾烈な戦いが続いています。広島の勢いはどこまで続くのか、今後の試合から目が離せません。