台風10号の猛威と記録的大雨、交通機関の影響も長期化――被害と今後の警戒ポイント

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台風10号は8月31日に四国を横断し、その後紀伊半島沖を東進しました。9月1日には本州を北上し、2日までに熱帯低気圧に変わる見込みですが、依然として東海や関東甲信では「線状降水帯」による局地的な豪雨の恐れがあります。このため気象庁は厳重な警戒を呼びかけています。

すでに交通機関への影響も深刻化しており、JR東海は9月1日の東海道新幹線について、東京—名古屋間で当面の間運転を見合わせると発表しました。特に三島—名古屋間は8月30日から続く終日運休が決まりました。名古屋—新大阪間は本数を減らして運行する予定ですが、東京—三島間の運転再開は9月1日午前に判断される見通しです。

総務省消防庁の発表によれば、8月31日午後までに宮崎、鹿児島、福岡など14県で計125人がけがを負い、4県で6人の死亡が確認されました。また、宮崎や大分、静岡など全国で1080棟の住宅が浸水や一部破損の被害を受けています。特に三重県では線状降水帯が発生し、一部地域では一時「緊急安全確保」が発令されました。岐阜県では大垣市と池田町に災害救助法が適用され、被害対応が進められています。

気象庁によると、台風10号が熱帯低気圧に変わった後も、太平洋高気圧の縁を回る暖かく湿った空気が流れ込む影響で、9月3日頃まで東日本や北日本では大雨が続く可能性があります。台風の速度が遅いため降水量は増え続け、8月27日から31日までに宮崎県えびの市では900ミリを超える雨量を記録し、平年の8月1か月分を上回りました。同様に静岡県伊豆市では700ミリ超、三重県大台町でも670ミリ超の降水量となっています。

8月31日午後6時時点の気象庁の予想によれば、9月1日午後6時までの24時間に東海地方で最大400ミリ、関東甲信で300ミリ、近畿で200ミリの降水量が予想されています。また、2日午後6時までの24時間で東海と近畿では200ミリ、関東甲信では120ミリの雨が降る恐れがあります。

台風10号は8月31日午後6時時点で和歌山県潮岬の東南東約15キロを時速15キロで東へ進んでおり、中心気圧は996ヘクトパスカル、最大風速は18メートル、最大瞬間風速は25メートルを記録しました。引き続き記録的大雨による河川の氾濫や土砂災害、交通機関の乱れに注意が必要です。

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