イスラエルで大規模デモ勃発、人質返還と停戦を求める声が激化──ネタニヤフ政権の強硬姿勢に国民の怒り

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イスラエル各地で1日、人質返還と停戦合意を求めるデモが大規模に行われました。きっかけは、イスラム組織ハマスに拘束されていた6人の人質が遺体で発見されたことです。この悲劇により、イスラエル国内では国民の不満と怒りが一気に高まりました。

イスラエル軍はガザ南部ラファにある地下トンネルで6人の遺体を発見しました。この6人は、2023年10月にハマスがイスラエルに対して行った奇襲の際に連れ去られた人々でした。保健省の発表によると、彼らは8月29日から30日にかけて至近距離から銃撃を受け、殺害されたとされています。

英BBCの報道によれば、エルサレムの首相官邸周辺では数千人が集まり、抗議活動を行いました。デモ参加者たちは、人質の家族会を象徴する黄色いリボンや、犠牲となった人質の写真を掲げ、ネタニヤフ首相に対してハマスとの交渉合意を求める声を上げました。さらにテルアビブではデモ隊が主要な幹線道路を封鎖し、政府に対する抗議の意思を明確に示しました。

イスラエル国内の不満は労働組合にも広がっており、2日にはゼネストが予定されています。一方で、人質返還交渉を巡る状況は依然として厳しく、米国などが仲介を試みているものの、交渉は滞ったままです。今年8月にカイロで行われた停戦協議でも目立った進展は見られず、ネタニヤフ政権の強硬な対応が事態の打開を妨げているとの批判が出ています。

特に今回の犠牲者の中にはイスラエル系米国人も含まれており、米国の反応も強硬です。バイデン米大統領は声明を通じて「ハマスの指導者は必ず代償を払うことになる」と非難し、人質解放に向けた努力を続けると強調しました。これに続き、カマラ・ハリス副大統領も「ハマスによる残虐行為を強く非難する」との声明を出し、イスラエルへの支持を表明しました。

国際社会の仲介にもかかわらず、停戦合意への道筋は依然として見えず、イスラエル国内の不安と緊張は今後さらに高まることが予想されます。人質問題と停戦を巡る状況がどのように進展していくのか、引き続き注視する必要があるでしょう。

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