前市長の辞職を受けて行われた秋田県大館市長選で、27歳の石田健佑氏が初当選を果たしました。石田氏は元市議であり、今回の選挙では対話を重視しながら、市民に寄り添った政策を掲げました。若さを武器に掲げた新しいリーダーの誕生に、市内外から大きな注目が集まっています。
今回の選挙では、元市議の日景賢悟氏(55)や社会福祉士の麓幸子氏(62)と競り合い、石田氏が見事勝利しました。この結果により、石田氏は現職市長としては全国最年少の市長となり、同じ27歳で注目される兵庫県芦屋市の高島崚輔氏と誕生日の差で全国最年少市長の座を手にしました。
石田氏は地元・大館市で生まれ育ち、東京都内の鉄道会社で勤務した後、2023年の市議選で初当選を果たしました。選挙戦では、企業と行政の連携を強化することや子育て支援を柱に掲げ、対話集会を積極的に開催。若手経営者や一部の市議からも支援を受け、その勢いを勝利につなげました。
一方で、今回の選挙の投票率は59.18%と、過去最低を記録しました。市民の関心を集めるために多くの候補者が力を注いだものの、投票率が低迷した背景には、人口減少など市の抱える課題があると見られています。選挙戦では特に、人口減少対策が主要な争点となり、各候補が地域活性化のビジョンを競い合いました。
新市長となる石田氏は今後、地元企業との連携や若者定住促進、さらには子育て支援策を具体化し、市民から寄せられた期待に応える必要があります。「若さゆえのフットワークの軽さを生かし、実行力ある行政を目指したい」と石田氏が語る通り、これからの市政運営に市民の目が注がれるでしょう。
全国最年少市長としての挑戦は、大館市に新しい風を吹き込むと同時に、地方自治体の若返りという時代の象徴とも言えるでしょう。新しいリーダーがどのように街を変えていくのか、多くの人がその行動に注目しています。