元受刑者の居場所を作る建設会社、広瀬伸恵社長の挑戦!偏見を越えて再出発、栃木発『家族のような職場』

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

栃木県栃木市にある建設会社「大伸ワークサポート」は、社員の約8割が元受刑者という、他にはあまり見られない取り組みを行っています。この会社を率いる広瀬伸恵さん自身、計6年半の服役経験を持つ元受刑者です。広瀬さんは「居場所があれば更生できる」という信念のもと、法務省の「協力雇用主」として、元受刑者の社会復帰を支える活動を続けています。その一環として、住居の提供や社員との共同生活を通じ、仕事だけでなく生活の面でも支援を行っています。

夕方、現場から帰宅した社員たちは「ただいま」と広瀬さんの自宅に集まります。社員同士が協力して作る一汁三菜の食事は、家庭の味そのものです。広瀬さんも時折自ら料理を振る舞い、社員たちはまるで家族のようにテーブルを囲みます。「社員みんなで食卓を囲むと、上下関係を気にせずリラックスできる」と語る社員の笑顔が、この取り組みの成果を物語っています。

広瀬さんがこの道に進んだ背景には、自身の壮絶な過去があります。幼少期から家庭に恵まれず、中学時代には非行に走り、暴走族のリーダーとなりました。さらには薬物にも手を出し、二度目の服役中には獄中で出産を経験。この出来事が彼女の人生を見直すきっかけとなりました。しかし、社会復帰への道のりは平坦ではなく、職を転々とする日々が続きました。

そんな中で出会った建設業界は、彼女の過去を偏見なく受け入れてくれる場所でした。この経験を基に2009年、自身の建設会社を立ち上げました。現在、約40人の社員が解体や土木、鳶工事を手掛けています。社員の多くは虐待や親の不在といった辛い経験を持つ人々で、広瀬さんは彼らに「寂しい思いはさせない」と語りかけます。全国から入社希望者が集まり、広瀬さんは刑務所に出向いて直接面会することもあるといいます。

もちろん、経営は順風満帆ではありません。再犯やトラブルに直面することも少なくないそうです。それでも広瀬さんは「社員は家族のような存在。私が守る」と強く語ります。その思いが、社員一人ひとりの心に届き、社会復帰の支えになっています。

SNSでは「素晴らしい取り組み」「彼女の強さに感動する」といった声が多く寄せられ、広瀬さんの取り組みに感銘を受けた人々が応援のメッセージを送っています。「大伸ワークサポート」の活動は、元受刑者の再起を助けるだけでなく、社会全体が偏見をなくし共に歩む可能性を示していると言えるでしょう。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

SNSでもご購読できます。

コメントを残す

*