【がん領域新時代へ】第一三共が専門MRを急増!新薬拡販に向けた勝負の一手と戦略を徹底解説

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製薬大手の第一三共が、成長が見込まれるがん領域での新薬拡販を目指し、専門知識を持つMR(医薬品情報担当者)の動員を本格化させています。これは、高度ながん治療に対応し、医師へ正確かつ専門的な情報を確実に届けるための重要な布石と言えるでしょう。2019年4月には、がん領域を担当する専門MRが新設され、まず数十人規模で選抜されています。がん治療は、その専門性の高さから、従来のMR体制だけでは情報提供が難しい場面が増えており、今回の専門担当者の配置は、今後の主力製品の展開を左右する重要な動きと推察できます。

これまでの第一三共は、循環器や中枢神経、あるいは造影剤といった特定の治療領域で専門のMRを配置し、そのノウハウを蓄積してきました。今回、これと同様に、がん治療分野においても専門担当者が必要不可欠だと判断されたわけです。がん領域の知識を全MRに広く浸透させる目的で、同社は社内試験を導入しています。合格者は「スタンダード」と「エキスパート」の2段階で評価され、2019年6月現在、約2200人のMRのうち合計700人がすでにこの社内資格を保有しているとのこと。この数は2020年度中には1000人規模への拡大が見込まれており、全社を挙げてがん領域への注力を加速させていることが伺えます。

第一三共のMRは、単に製品情報を提供するだけでなく、患者様の病状に応じて複数の製品を組み合わせ提案する「トータルケアサポート」という独自のスキルが強みとされています。たとえば、がん患者様は血栓ができやすいという背景があるため、抗がん剤と抗凝固剤である「リクシアナ」をセットで提案できるような、より包括的な視点を持ったMRの育成を目指しているのです。年間約150時間にも及ぶ研修や、医師との会話を再現するロールプレーを通して、この高度な提案能力を磨いています。木村悟専務執行役員は「今まで以上に患者ファーストの提案ができる」と述べられており、この新しい体制への自信の高さが感じられます。

今回のMR拡充の背景には、同社が持つ豊富なパイプライン、つまり開発中の新薬候補が多数存在することがあります。特に早期の国内販売が期待されているのは、自社開発の血液がん治療薬「キザルチニブ」です。これは2018年に日本で承認申請されており、2019年度中にも市場に投入される可能性が高いでしょう。さらに、製薬業界から熱い視線が注がれているのが「トラスツズマブ・デルクステカン(開発名DS-8201)」です。これは、ADC(抗体薬物複合体)という新規の医薬品で、特定の標的を狙う抗体医薬と、その標的細胞に強力な効果を発揮する低分子薬を融合させた、革新的な技術に基づいています。この画期的な新薬は、大型製品となることが強く期待されており、英製薬大手のアストラゼネカと提携して世界的な開発が加速している状況です。日本でも乳がん向けの薬としての販売が見込まれており、第一三共の今後の収益を牽引する柱となる可能性を秘めていると言えるでしょう。

第一三共の2019年3月期の連結売上高は9297億円で、前期に比べ3%の減少となりました。その過半を占める国内医薬とワクチン分野の売上高は5233億円で、後発薬の普及や、政府による薬価改定の影響を受け、前期比で3%の減少となっています。2020年3月期の国内医薬とワクチンは、さらに同2%減の5120億円が見込まれており、売上高の巻き返しは喫緊の課題です。こうした状況において、高収益が見込めるがん領域での早期収益化は、同社の成長戦略にとって不可欠な要素となっています。今回の専門MRの動員は、有望な新薬群を成功に導くための、最重要戦略の一つであると私は考えます。専門家集団を組織することで、高度化する医療現場への情報提供力を高め、結果として患者様への最適な治療選択に貢献する、まさしく一石二鳥の取り組みと言えるのではないでしょうか。

この第一三共の動きに対して、SNS上でも早速大きな反響が見受けられました。「第一三共がADCに本気だという証拠だ」「がん専門MRは医師との深い対話が必要で、これは理にかなった投資だ」といった肯定的な意見や、「新薬の成功には専門MRの力が不可欠」と、今回の戦略の重要性を指摘する声が多数投稿されています。また、専門MRが持つべき「トータルケアサポート」のスキルに関しても、「複数の薬を複合的に提案できるのは患者にとってありがたい」といった、患者様視点での期待の声も集まっているようです。この積極的な人材育成と新薬開発への注力は、今後の日本の製薬業界におけるがん治療の発展に大きく寄与するに違いないでしょう。

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