ホームセンター事業を展開する綿半ホールディングス(HD)は、2019年6月3日に都内で投資家向けの説明会を開催し、その新たな成長戦略を明らかにしました。2020年3月期における売上高の目標は、前の期と比べて7%増となる1,142億円です。この目標達成に向け、同社は小売事業と建設事業の双方で大胆な施策を打ち出しています。
小売部門では、特に生鮮食品コーナーの強化に注力している様子です。単なる品揃えの拡充にとどまらず、現在一部の店舗で導入されている「いけす」での魚介類の販売や、地域の特色を活かした地場産品コーナーを、今後他の店舗へも順次拡大していく計画を立てています。これにより、お客様の「来店する価値」を高め、集客力の向上を図りたいと考えているのでしょう。
また、販売戦略においては、特売チラシの枚数を前の期比で27%も削減するという思い切った方針を打ち出しています。これは、一時的な安売りではなく、常時低価格で商品を提供する戦略を継続することで、お客様の信頼を築き、安定した収益構造を目指す姿勢の表れだと私は考えます。チラシの削減は、コスト削減と環境への配慮という点でも非常に意義深い取り組みだと言えるでしょう。
一方、建設事業でも大きな変革が進められています。鉄骨工場におけるロボットによる自動化や、これまで外部に委託していた製品の内製化を進めているのです。自動化は、製造工程における人的ミスを減らし、品質の均一化と生産性の飛躍的な向上をもたらします。内製化は、外部コストを削減し、製品供給のスピードと柔軟性を高めるための重要な手段であり、これらが相まって利益率を押し上げる要因となるでしょう。
野原勇社長は、2020年3月期を「新たな価値を生む事業構造を構築する」ための重要な一年と位置づけていることを強調しました。そして、経常利益率を毎年引き上げることへの強い意欲を示し、2022年3月期までには、2019年3月期と比較して0.3ポイント増となる2.7%への引き上げを目指すとのことです。経常利益率とは、本業の儲けを示す営業利益に、受取利息や不動産賃貸収入などの本業以外の収益を加算し、支払利息などの本業以外の費用を減算した後の利益が、売上高に対してどれくらいの割合を占めているかを示す指標であり、企業の総合的な収益力を測る上で非常に重要です。
この発表に対し、SNS上では「ホームセンターの生鮮食品コーナーが本格化するのは嬉しい」といった期待の声や、「建設業の自動化は時代の流れ。効率アップに期待」といった好意的な反響が見受けられました。綿半HDの取り組みは、ホームセンターと建設という二つの異なる事業領域で、既存のビジネスモデルに変革をもたらし、収益性の高い事業構造へと進化させようとする、非常に意欲的な試みだと評価できるでしょう。今後の具体的な店舗展開や自動化の進捗に、引き続き注目が集まると思われます。