中小企業の未来を左右する男性育休:2025年新基準への対応と成功事例

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2025年度から、中小企業にも男性育休取得率の公表が義務化されます。これまで従業員1000人以上の大企業が対象だった公表義務が、従業員300人超の企業に拡大されることで、中小企業が直面する課題が浮き彫りになっています。特に、人員が少ない企業ほど代替要員の確保が難しく、男性育休取得率の低さが顕著です。

その中で注目されるのが、日本ケロッグの高崎工場での取り組みです。この工場では約220人の従業員のうち9割以上が男性を占め、週7日稼働の中でも直近3年間で男性育休取得率が60%に達しています。この成功の背景には、工場全体で業務の属人化を排除する改革がありました。2018年頃から、特定の社員だけが特定の仕事を担当する仕組みを改め、全員が複数の業務を担えるように研修を実施しました。反発もありましたが、管理職がその意義を繰り返し伝えたことで実現しました。

同様に、システム開発会社のエス・ジー(東京・港)では、管理職が積極的に部下に育休取得を促す文化を築いています。社員数250人の同社では、育休取得率が50%に達し、最短1ヶ月から6ヶ月まで柔軟に対応しています。育休取得の申告がしやすい環境を整え、代替要員の確保を取引先とも連携して進めたことが奏功しました。

さらに、広島市のマエダハウジングでは、トップ自らが育休取得を推奨し、全社員にその経験を共有する文化を作り上げました。2024年の平均取得日数は36日と3年前の5倍に伸び、取得率は100%を維持しています。こうした取り組みが社員の帰属意識や会社への好感度を高めていることは、内閣府の調査でも明らかになっています。

厚生労働省の2023年度の調査によれば、従業員500人以上の企業では87%が男性育休の実績を持つ一方、30〜99人の規模では38%にとどまります。日本商工会議所の調査では、男性育休促進の最大の課題が「代替要員の確保」にあるとされましたが、人員を増やすだけが解決策ではありません。育休取得を成功させた企業は、表面的な対応ではなく業務の属人化を排除し、働き方改革を徹底しています。

SNSでも「働きやすさが未来の成長を作る」といった声や、育休取得を後押しする企業文化への賛同が寄せられています。中小企業にとって男性育休の促進は、単なる法規対応にとどまらず、企業の成長と社員の満足度向上を実現するチャンスとなるでしょう。この潮流に乗ることで、企業は新しい時代の働き方をリードしていくはずです。

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