2019年07月11日、国際オリンピック委員会(IOC)は、2026年冬季オリンピックの開催地としてイタリアのミラノとコルティナダンペッツォを選出しました。これまでの五輪といえば一つの都市が主役となる「単独開催」が当たり前でしたが、今回の決定は複数の都市が手を取り合う「共催」という新しい時代の幕開けを象徴しています。背景には、開催都市が負担する莫大な運営経費や、巨大なスタジアムが大会後に「負の遺産」となってしまう問題への危機感があるのでしょう。
SNS上では、この画期的な決定に対して「無理に一つの街で抱え込まないのは賢い選択だ」「歴史ある街並みを壊さずに済みそうで安心した」といった前向きな反応が目立ちます。一方で、競技会場が離れることによる移動の負担を懸念する声も上がっており、ファンや選手にとっても未知の体験となることは間違いありません。それでも、一極集中型のモデルが限界を迎えている今、持続可能なスポーツの祭典を目指すこの試みは、多くの人々から大きな期待を寄せられているようです。
ここで専門用語について少し触れておきましょう。IOCが掲げる「アジェンダ2020」とは、オリンピックの魅力と価値を守るための40の提言をまとめた改革案のことです。この指針では、既存の施設を最大限に活用することや、開催コストを削減することが強く推奨されています。イタリアの共催案が選ばれたのは、まさにこの「アジェンダ2020」の精神に合致し、無理のない健全な大会運営が可能であると判断されたからに他なりません。
札幌が目指す2030年大会への教訓と持続可能な招致の形
今回のイタリアの事例は、2030年大会の招致を目指す札幌市にとっても極めて重要なモデルケースとなるはずです。かつて1972年に冬季五輪を経験した札幌が、再び世界を迎え入れるためには、当時のような華やかな開発だけでは通用しません。今の時代に求められているのは、いかに税金を抑え、環境に配慮しながら住民の理解を得るかという「共感」のプロセスです。コスト削減こそが、招致成功を引き寄せる最大の鍵になると言っても過言ではないでしょう。
私個人の意見としては、五輪は単なる「スポーツの祭典」から、都市の課題を解決する「知恵の出しどころ」へと変貌すべきだと考えています。かつてのように豪華絢爛な施設を競い合うのではなく、既存のインフラを賢くシェアする姿こそが、未来の子どもたちに誇れるレガシーになるのではないでしょうか。華美な演出に頼らずとも、競技の情熱や文化の交流は十分に伝えられるはずですし、それこそがスポーツ本来の純粋な姿であると私は信じてやみません。
2019年07月11日現在の状況を鑑みると、世界は確実に「コンパクトでスマートな五輪」へと舵を切っています。開催都市にかかる重圧を分散し、複数の地域が共に栄える仕組みは、今後のスタンダードになっていくでしょう。日本においても、このイタリアの決断を他人事と捉えず、自国のスポーツ文化をどう守り育てるかの議論を深めるべきです。これから始まる新しいオリンピックの形が、どのような感動を私たちに届けてくれるのか、今から目が離せませんね。