2019年07月14日、総務省が5年ごとに実施している「全国消費実態調査」の結果を基にした、興味深いデータが明らかになりました。世帯主が65歳以上となる高齢者世帯の金融資産を都道府県別に推計したところ、全国平均は2003万円という数字に達しています。この結果は、世間で大きな議論を呼んでいる老後の資金計画において、一つの重要な指標となることでしょう。
SNS上では「2000万円という数字が現実味を帯びてきた」という驚きの声や、「地域によってこれほど差が出るのか」といった分析的な意見が数多く投稿されています。特に注目を集めているのは、東京都のような首都圏だけでなく、地方都市が上位に食い込んでいる点です。資産形成の鍵は、単なる収入の多寡だけではなく、それぞれの地域に根付いた生活スタイルにあるのかもしれません。
北陸や近畿が上位に?地域差を生む「貯蓄性向」と「持ち家」の相関関係
今回の調査で上位に名を連ねたのは、奈良県や石川県といった自治体でした。ここで注目したい専門用語が「貯蓄性向」です。これは、自由に使えるお金である可処分所得のうち、どれくらいの割合を貯蓄に回しているかを示す指標を指します。北陸地方などは伝統的に勤勉で堅実な土地柄として知られており、将来に備えてコツコツと資産を積み上げる文化が数字に表れたと推測できるでしょう。
加えて、資産形成に大きな影響を及ぼしているのが「持ち家比率」の高さです。住宅ローンを完済し、住居費の負担が軽くなった状態で高齢期を迎えることは、現金や有価証券といった金融資産を残す上での大きなアドバンテージとなります。地方では都市部に比べて家を所有するハードルが低く、結果として老後の蓄えに余裕が生まれるという、地方ならではの豊かな構造が見て取れるのではないでしょうか。
編集者の視点から申し上げれば、この「2003万円」という平均値はあくまで一つの目安に過ぎません。しかし、石川県などの事例を見ると、住居コストを抑えつつ計画的に貯蓄に励むという「生活の知恵」こそが、真の安心を勝ち取る手段であると痛感します。数字の多寡に一喜一憂するのではなく、自分の住む地域の特性を理解した上で、地に足の着いたライフプランを練ることが、何よりも大切だと言えるはずです。