昨今、企業経営の健全性や透明性を高める上で、「社外取締役」の存在感が急速に高まっています。2019年6月現在、メディアでも頻繁に取り上げられるこの役職は、一体どのような役割を担い、なぜ注目されているのでしょうか。社外取締役とは、その名の通り、会社外部の立場にいながら、会社の重要事項を決定する取締役会に参加する人材を指します。
彼らに求められる最大の使命は、社内のしがらみや利害関係に一切縛られず、第三者の公平な目線から経営を厳しくチェックすることです。これにより、経営陣による独断専行を防ぎ、企業価値の向上と株主利益の最大化に貢献することが期待されています。多くの場合、経験豊富な経営者や会計士、弁護士といった高度な専門知識や知見を持つ人物がこの要職に就任するケースが多いでしょう。
日本企業のガバナンスを変えた「コーポレートガバナンス・コード」
日本で社外取締役の重要性が増したのは、2015年に東京証券取引所が上場企業に適用を始めた**「企業統治指針(コーポレートガバナンス・コード)」が大きなきっかけです。この指針は、上場企業に対して、経営から独立した社外取締役を2人以上選任することを強く促しました。この改革的な動きにより、日本企業のガバナンス体制**、すなわち企業を管理・統制する仕組みが大きく変わりつつあり、社外取締役の職責と影響力は着実に増していると言えます。
しかし、世界に目を向けると、日本のガバナンス改革はまだまだ道半ばであるのが現状です。米コンサルティング会社のスペンサースチュアートの調査によると、主要企業における取締役会に占める独立社外取締役の割合は、米国が85%、英国が61%、ドイツが60%と非常に高い水準にあります。
これに対し、日本は時価総額上位100社に限っても35%にとどまっており、先進国と比べると大きな遅れを取っていることが浮き彫りになりました。この数字は、日本企業の「取締役会の多様性(ダイバーシティ)」の面でも見劣りする実態を示しています。具体的には、外国人や女性の取締役比率も低く、多角的な視点を取り入れる体制の整備が急務であると言えるでしょう。
【編集部の見解】「形式」から「実質」へ!社外取締役に期待される真価
私は、この社外取締役の登用は、日本企業が国際競争力を高める上で避けて通れない、極めて重要な要素だと考えます。かつては、社内出身者で固められた**「なれ合いの取締役会」が常態化し、株主やステークホルダー**(利害関係者)の利益よりも、現経営陣の意向が優先されがちでした。この慣行を打ち破り、真に企業価値を高める経営を実現するには、「外部の視点」が不可欠です。
SNS上でも、「形式的に人数を揃えるだけでなく、本当に経営をチェックできる 独立性の高い 人材を選んでほしい」「日本企業の閉鎖的な体質を変えるには、もっと海外のプロフェッショナルを登用すべきだ」といった声が多く見られ、読者の関心と期待の高さが伺えます。今後は、単に規定の人数を満たす**「形式的な選任」ではなく、実効性のある議論とチェック機能を発揮できる「実質的な役割」を社外取締役が担えるかどうかが、日本のコーポレートガバナンス**の成熟度を測る試金石となるでしょう。