日本産ホタテが世界へ挑戦!中国禁輸1年後の北海道水産業の現状と展望

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2023年8月24日、中国が日本産水産物の輸入を全面停止してから1年が経過しました。この禁輸措置の影響で、特に中国市場への依存度が高かった北海道産ホタテが大きな打撃を受けました。しかし、その一方で、東南アジアやアメリカなど新たな市場開拓が加速しており、北海道水産業の挑戦が続いています。

中国禁輸後の11カ月間(2023年9月~2024年7月)、北海道から輸出された水産物や加工品は約395億円と、前年同期比で48%減少しました。特にホタテを含む「甲殻類及び軟体動物」の輸出は約50%減少し、270億円弱となりました。これまで中国は北海道産ホタテの主要輸出先で、2022年には約380億円相当が輸出されていましたが、現在では輸出が完全に停止しています。

ホタテの輸出減少に対する解決策として、北海道内の水産加工業者は新たな取り組みを進めています。例えば、サケ加工からホタテ加工に事業をシフトする動きや、補助金を活用して殻むきなどの効率化を図る設備投資が進行中です。日高地方のマルデン(えりも町)は冷凍ホタテ加工の設備を導入し、2025年5月から稼働予定です。同社は安定的に確保できるホタテ原料を活用し、東南アジアへの輸出も視野に入れています。

一方で、海外加工も注目されています。水産商社のノースイ(東京都港区)は、2024年1月にベトナムで試験的に加工を開始し、同年6~7月には殻付きホタテを現地で加工してバーベキュー向け商品を量販店や飲食店に卸しています。この試みは成功し、今後もベトナムでの加工を継続する見込みです。

輸出市場は多様化の兆しを見せており、アメリカや東南アジア諸国への輸出が急増しています。2024年1~6月のデータでは、アメリカ向けが前年同期比で2倍の36億円、ベトナムが10倍弱の31億円、タイが17倍超の10億円に達しました。日本貿易振興機構(ジェトロ)も北海道産ホタテをメキシコで加工し、アメリカ市場で販売するルートを模索しています。

SNSでは、「北海道産ホタテの新たな展開に期待!」「東南アジアでの加工拡大は面白い挑戦」といった前向きな反応が見られます。一方で、「国内需要をどのように維持するかが課題」といった指摘もあります。

北海道産ホタテの持つブランド力を最大限に活用し、多角的な市場戦略を進めることで、日本の水産業はさらなる発展を遂げるでしょう。禁輸措置を逆手に取り、新たな販路を開拓し続ける北海道の挑戦は、これからも注目を集めるに違いありません。

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