2019年6月5日、産業界に大きなニュースが飛び込んできました。東芝は、同社の誇るリチウムイオン二次電池である「SCiB」が、日野自動車の新型大型トラックに採用されたと発表いたしました。この高性能バッテリーは、同年6月18日に発売される予定の**「日野プロフィア ハイブリッド」に搭載され、その燃費効率の向上に貢献する主役となるでしょう。これは、東芝の電池技術が、これまでの乗用車だけでなく、特に厳しい性能が求められる大型商用車の分野でもその実力を認められた、非常に重要な一歩だと考えられます。
この「SCiB」という技術は、「急速充電性能」と「長寿命」という二つの卓越した特性を兼ね備えています。SCiBとは、東芝が開発した負極にチタン酸リチウムを用いたリチウムイオン二次電池のことで、安全性が高く、低温環境でも性能が落ちにくいという特徴も持っているのです。これらの特性が、頻繁な充放電サイクルが予想されるハイブリッド車のバッテリーとして、日野自動車の厳しい基準を満たし、採用の決め手になったと見ています。これまでも、日産自動車やマツダの新型車両にも相次いで採用実績があり、東芝は今後も自動車関連市場での需要を積極的に開拓していくでしょう。
東芝の電池が日野自動車に採用されるのは、今回が初めてのこととなります。このバッテリーは、ハイブリッドシステムの中核を担い、特にトラックが下り坂を走行する際などに発生する減速エネルギーを効率良く回生し、電気エネルギーとして充電します。そして、その貯めたエネルギーをモーター走行時に活用することで、燃料消費を抑える仕組みです。
これまで大型トラックは、その車体の大きさや積載量から燃料消費量が多いという構造的な課題を抱えていました。さらに、一般的に街中での発進・停止を繰り返す乗用車とは異なり、高速道路での「定速走行」が中心となるため、従来のハイブリッドシステムでは効果を発揮しにくいとされてきた背景があります。しかし、日野自動車は、この課題を克服するために、「人工知能(AI)」**を活用した高度な制御技術を開発しました。これに、大きなエネルギーを素早く出し入れする(高入出力特性)能力に優れる東芝の「SCiB」を組み合わせることで、大型トラック特有の運行特性に最適化されたハイブリッドシステムの導入を実現したのです。この技術革新は、物流業界における環境負荷低減に大きなインパクトを与えるでしょう。
このニュースに対し、SNS上では「大型トラックのハイブリッド化は環境負荷軽減に繋がる」「東芝のSCiBが着実に実用化されていくのは嬉しい」「トラックの燃費が良くなれば物流コストの削減にも貢献しそう」といった、技術の進展と環境貢献への期待を示すポジティブな反響が多数寄せられています。特に、大型車の電動化は技術的なハードルが高いとされてきただけに、その実現は多くの注目を集めているようです。
東芝にとって、この電池事業は、経営危機からの再建を目指す中で、新たな主要な収益源として育成していく方針です。かつて、経営の困難な状況から十分な投資ができなかった時期もありましたが、今後は拠点の新設など積極的な事業拡大に取り組み、2030年にはこの電池事業だけで4,000億円規模の売上高達成を目指す考えです。高性能な電池技術は、自動車産業だけでなく、再生可能エネルギーの蓄電やインフラ分野など、社会のさまざまな領域で不可欠なものとなるでしょう。日野自動車との協業は、東芝が目指す未来に向けた、力強い追い風になるに違いありません。