「アニメNYC」大盛況!アメリカで広がる日本のポップカルチャーとビジネスチャンス

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2024年8月23日から3日間、マンハッタンで開催された日本のアニメやポップカルチャーをテーマにしたコンベンション「アニメNYC」が、これまでにない盛り上がりを見せました。昨年の参加者数6万人を大幅に上回り、会場となったジャヴィッツセンターの31万平方メートルをフル活用して10万人以上が来場。12月ドルの3日間パスは早期完売し、アメリカ最大級のアニメイベント「アニメエクスポ」(ロサンゼルス)と肩を並べる規模となりました。全米では年間350以上のアニメイベントが開催されていますが、「アニメNYC」の熱気は特筆すべきものでした。

出展企業は約350社、アーティストは530名以上が参加し、書籍やキャラクターグッズ、コスプレ衣装など多彩なアイテムが並びました。また、声優の斎藤千和さんをはじめとする著名なクリエイターによるパネル討論、劇場版「名探偵コナン」や「ホロライブ」の北米プレミア上映、さらにはネットフリックス限定の「ターミネーターゼロ」の世界初公開も行われ、来場者を魅了しました。公式パーティーや日本食屋台、ガチャポンも人気を集め、たこ焼きやお好み焼きを味わいながら会場を歩き回る姿が見られました。

特に注目されたのは、ニューヨーク市が推進するゲーム開発産業育成プログラム「プレイNYC」とのコラボレーションで、会場内に約7500平方メートルのスペースを設け、独立系ゲーム開発者たちが作品を展示していたことです。これはアメリカにおける日本のポップカルチャーが、新たな形で地元クリエイターたちとの交流を深めている証でもあります。

来場者は友人同士で楽しみながら会場を巡り、高額なアニメグッズを手に取りつつ、15ドルのたこ焼きを頬張る姿が印象的でした。「オタク」という言葉にかつて伴っていた孤独なイメージはまるでなく、楽しさと熱気があふれる空間が広がっていました。

しかしながら、この熱狂的な人気にもかかわらず、アメリカ市場での日系小売企業のプレゼンスは限定的です。紀伊國屋書店とブックオフがそれぞれ17店舗展開している程度で、オンラインでは不透明な流通経路を経たプレミアム価格の商品が多く見られる状況です。「日本のモノづくりは世界最高なのに、売り方が下手」という課題を打破し、グローバルマーケットでの新たな成功を目指すべきでしょう。

「アニメNYC」の盛り上がりを通じて、日本のポップカルチャーがいかにアメリカの消費者に愛されているかを改めて実感しました。この好機を逃さず、日本のコンテンツと商品がより多くの人々に届けられる日を期待したいです。

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