【キャッシュレス募金革命】カード1枚で寄付が加速!電子募金箱「DipJar」が米国で浸透する理由

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

2019年6月5日の時点で、米国では特に40代以下の層を中心にキャッシュレスな生活が根付いており、クレジットカードの利用が非常に一般的になっております。これは、日常の買い物だけでなく、レストランでのチップや、街頭での募金といった従来現金での支払いが当たり前だった場面にも波及している状況です。このような背景から、「現金でしか払えない」という不便さを解消したいというニーズが高まっていました。

この課題を解決するため、2014年にボストンで大学生2人が立ち上げたのが、電子募金箱「DipJar(ディップジャー)」です。これは、カードを使った支払いを可能にする手軽なハードウェア機器で、資金調達の現場で大きな注目を集めています。技術系スタートアップの多くがソフトウェアやアプリケーション開発に注力する中、DipJarがハードウェア製品であることは、非常に新鮮なアプローチだと言えるでしょう。

DipJarは、どこへでも持ち運びができる小さな機器で、文字通り電子募金箱として機能します。寄付を募る主催者側は、オンライン上の専用口座から、寄付金額を1ドルから1,000ドルまでの間で柔軟に設定することが可能です。寄付者がカードを機器に差し込むと、設定された金額が数秒でカードに課金され、電子音によって取引完了が通知されます。この手軽さから、ファンドレイジング(資金集めの活動)の会場では、金額設定の異なる複数のDipJarが使われるケースも多く見受けられます。

デジタル決済が変える社会貢献のカタチ

DipJarは、救世軍やYMCAといった大規模な社会貢献団体から、子どもたちに無料ランチを提供するボランティア活動の資金集めまで、幅広い分野で活用され、数百ドルから数万ドル単位の資金調達を可能にしています。寄付をする側からすると、財布に現金がなくても「カードをかざす(ディップする)だけ」で社会貢献ができるため、非常に便利です。また、DipJarはWi-Fiを使わず、大手携帯サービス会社のインフラサービスを利用しているため、セキュリティ面でも高い安全性が確保されていると言えるでしょう。

この機器の価格は399ドルで、この中に初年度の運営費が含まれています。また、毎年99ドルの運営費が課金されます。収益モデルとしては、集まった寄付総額の6%が手数料としてDipJar側に支払われ、さらに寄付1件につき17セントがチャージされる仕組みです。利用者は「手数料はかかるけれど、より多くの寄付を集められる」という実益を享受できるわけです。

このDipJarの登場と浸透は、米国が「社会貢献は当然のこと」と捉える文化を持つからこそ加速したと考えられます。米国は、問題を実務的かつ具体的な方法で解決しようとする解決志向のソーシャルビジネス(社会的な課題解決を目指す事業)が育ちやすい土壌にあります。現金の不便さをテクノロジーで解消し、寄付という善行をより簡単にしたDipJarは、まさにこの土壌から生まれた理想的なイノベーションと言えるでしょう。

SNS上では、「財布に小銭がない時でも気軽に寄付できるようになった」「イベントでの資金集めの効率が格段に上がった」といった、利便性を高く評価する声が多く見られます。筆者の意見としては、このデジタル化の流れは、資金調達の透明性を高め、社会貢献活動への参加の敷居を大きく下げるものと期待しています。キャッシュレス募金の選択肢が増えることで、米国社会の寄付文化は一層加速していくことでしょう。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

SNSでもご購読できます。

コメントを残す

*