2024年7月21日から9月30日にかけて、大塚製薬が全国高等学校総合体育大会「北部九州総体2024」(インターハイ)に合わせて始動した「インハイエールプロジェクト」が注目を集めています。このプロジェクトの一環として、同社は「ポカリスエット インハイNFT」を発行。インターハイに携わる学生を応援すると同時に、進路やキャリアに役立つ新たな価値を提供しています。
このNFTは、大会の企画や運営に携わった「高校生活動」や「大会サポート活動」に参加した学生を対象に配布され、参加証明としての役割を果たします。こうした取り組みは2023年6月のイベント「ポカリCM制作フェス!」で初めて試みられました。このフェスでは全国から集まった約1,000人の中高生の「青春エピソード」を基にしたCM制作を行い、参加者にNFTを配布。その取得率は驚異の97.5%を記録しました。この成功を受け、高校ラグビーや春の高校バレーといった大会でも、出場者にNFTを配布する取り組みが続けられています。
特筆すべきは、NFTが学生の進路に役立つ可能性を秘めている点です。ポカリCM制作フェスに参加した高校生から、「活動経験を総合型選抜入試(旧AO入試)のアピール材料にしたい」という声が寄せられたことで、大塚製薬はNFTが受験や就職活動で信頼性の高い証明として機能することに気づきました。NFTは改ざんが難しく、取得履歴を追跡できるため、学生が経験を正確に伝える手段として有効です。一方で、学校や企業側にとっても、応募者の実績を正確に確認するツールとして期待されています。
NFTはLINEを通じて配布され、インターハイ会場で配布されたステッカーに印刷されたQRコードから簡単に取得できます。この仕組みは、学生と日常的に接点を持つことでエンゲージメントを深める狙いがあり、マーケティング施策としても有効です。さらに、NFTの特性を活かし、ユーザーの行動履歴を可視化することで、長期的なコミュニケーション基盤を構築しています。たとえば、イベント参加やテレビ視聴といった具体的なアクションに応じた証明NFTを提供することも可能です。
SNSでは「受験や就活で使える証明が増えるのは画期的!」「青春の思い出が形に残るのがうれしい」といった声が広がり、学生たちの間で大きな話題を呼んでいます。このような反響は、大塚製薬がNFTを単なるデジタル資産ではなく、マーケティングや社会的価値創造の新しいツールとして位置づけていることを証明しています。
「インハイエールプロジェクト」は、学生の挑戦を支えると同時に、未来の可能性を広げる革新的な取り組みとしてさらなる注目を集めるでしょう。NFTという技術が、教育やキャリアの世界でどのように進化していくのか、今後も目が離せません。