【医療革命】NECのAIチャットボットが救急相談の常識を変える!緊急度判定で救急車の適正利用を促す新時代のシステムとは

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社会問題となっている救急車の不要不急な出動要請に対し、IT大手であるNECが画期的な解決策を提示しています。それが、自動応答ソフトウェア、いわゆるチャットボットを医療分野に応用した救急相談システムです。2019年6月5日の時点で、このAIチャットによる救急相談サービスが、全国に先駆けて埼玉県で試験運用を終え、同年7月からの本格稼働を目指しているとのことです。私見ですが、このシステムは、限られた医療資源を効率的に配分し、真に緊急性の高い患者さんへ迅速な対応を可能にする、まさに現代社会が必要としていた「医療革命」の第一歩だと感じています。

近年の救急出動件数の増加は深刻で、消防庁のデータによれば、2017年の全国の出動件数は前年比2%増の634万件に達し、これは10年前と比較して100万件以上も増えている状況です。本来は緊急性のない軽症のケースで安易に救急車が呼ばれ、その結果、救急医療機関が逼迫し、パンク寸前となる事態が各地で発生しています。特に人口733万人と全国で5番目に人口が多い埼玉県では、24時間対応の救急電話相談の件数が年間20万件を超える水準となっており、そのうちの7割から8割は救急車を呼ぶ必要のない症例だというのです。

このような状況を改善し、市民の適切な受診行動を促すために、埼玉県はNECと協力し、2019年4月から5月にかけて、全国で初めて「AI救急相談」の試験運用を実施しました。これは、看護師に代わってチャットボットが相談に応じる画期的なサービスです。NEC関東甲信越支社の医療ソリューション営業部で主任を務める神原武氏によると、「電話をためらうような場面でも、チャット形式ならば気軽に相談しやすい」という利点があり、特に幼いお子さんを持つ親御さんなど、若い世代にも利用してもらいやすいと考えたそうです。この取り組みは、日本臨床救急医学会や自治医科大学付属さいたま医療センターの協力も得て実現しており、医療専門家の知見がしっかりと反映されている点も、サービスの信頼性を高めているといえるでしょう。

AIチャットによる緊急度判定の仕組みと精度

このAI救急相談の使い方は非常にシンプルです。相談者は専用のウェブページで、年齢や性別といった基本情報を入力し、チャット形式のやり取りを開始します。「どのような症状ですか」という質問に対し、選択肢から症状を選んだり、「頭がクラクラする」といった自由な記述で答えたりすることができます。チャットボットは、追加の質問を繰り返すことで情報を深掘りし、最終的に「熱中症」「うつ」など、108種類に分類された症状のどれに該当するかをAIが判定する仕組みです。

症状の特定後には、さらに「起き上がることができない」「意識状態が悪い」といった重症度に関する質問を行い、緊急度を5段階で評価します。最も緊急性が高いと判断された場合は「最緊急・救急車」と表示され、画面に119番通報ボタンが現れるため、すぐに救急車を呼ぶことが可能です。それ以外の判定結果の場合には、適切な対処法が提示されるようになっています。また、チャットでのやり取りを、必要に応じて看護師による電話相談へ引き継ぐこともできるため、AIと専門家のハイブリッドな対応が実現されています。

このシステムの核となるのは、相談者の自由記述文から症状を特定する部分です。AIが単語や言い回しの違いに関わらず、文章の意味が同じかどうかを判定できるというNEC独自の技術が用いられています。この技術により、たとえ表現が異なっていても、医学的に同じ内容であれば同じ症状と判定できるようにAIが学習しており、高い精度での判断が可能になっているのでしょう。約2カ月間の試験運用では、「便利だ」と好意的な反響が多く寄せられたそうです。今後は、蓄積されたデータを分析し、AIの判断と医師の判断を照らし合わせることで、さらに判定精度を高めていく計画だといいます。このAI技術の進化は、今後のヘルスケア分野における大きな進展を予感させるものです。

NECでは、2019年7月の本格運用開始に向けて、全国の自治体や医療機関へのサービス拡大を見据え、すでに機能の拡充を進めています。神原主任は「音声入力や多言語への対応なども進めたい」と意欲を語っています。救急相談という命に関わる重要な分野でのAI活用は、市民の安心・安全を確保しつつ、医療現場の負担を軽減する一石二鳥の戦略だといえます。今後、このNECの先進的なAIチャットシステムが、日本の救急医療体制の**デジタルトランスフォーメーション(DX)**を牽引していくことを期待しています。

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