元トップ騎手から調教師に転身した福永祐一氏(47)が、2023年8月18日のCBC賞(GIII、中京芝1200メートル)で、管理馬ドロップオブライトを優勝に導き、重賞初制覇を果たしました。調教師生活のスタートからわずか5カ月での快挙に、福永氏は「狙っていたレースだった。馬を最高の状態に仕上げた結果」と満足感をにじませました。
CBC賞当日、5歳牝馬ドロップオブライトは最内枠という好条件からスタート。先行集団の内側に位置を取り、直線ではスムーズに進路を確保して鋭く伸び、見事に先頭でゴールしました。この勝利を支えたのは、騎手・幸英明氏の卓越した騎乗です。幸氏は「重賞初勝利が僕で良かったのかと恐縮する」と謙虚に語りつつ、「渾身の仕上げをしてくれた調教師の期待を裏切らないレースをしたかった」とその喜びを語りました。
ドロップオブライトは以前にも中京芝1200メートルで好走した実績があり、福永氏はこのレースをターゲットに調整を進めていました。パドックで完璧に仕上がった愛馬を目にした彼は、「満足感があった」と振り返りながらも、「レースは時の運。枠順や騎乗に恵まれることもある」と謙虚な姿勢を崩しませんでした。
しかし、今回の勝利は偶然ではありません。馬の適性を見極め、目標のレースに向けて最高の状態に仕上げた調教師としての手腕は見事の一言です。騎手時代、自らを「競走馬研究家」と称して、調教師への転身を見据えた綿密な準備を重ねてきた福永氏。その努力が今回の成果として結実しました。
2023年2月に騎手を引退した福永氏は、1年間の研修を経て2024年3月に厩舎を開業。同年4月7日に初勝利を挙げ、順調なスタートを切ったものの、その後は勝利から遠ざかっていました。しかし、「やるべきことをやれば結果は付いてくる」と焦らずに努力を続け、ついに重賞タイトルを手中に収めました。
今回の勝利は、厩舎全体の士気を大きく高めるものとなりそうです。福永氏は「重賞を勝てる馬を仕上げたことで、厩舎全体の自信がついた」と語り、今後の飛躍への手応えを示しました。調教師としての新たな一歩を踏み出した福永氏の挑戦は、これからさらに注目を集めることでしょう。SNSでも「福永厩舎の快進撃が始まる予感」「元名騎手の調教師としての手腕に期待」といった声が広がっており、競馬ファンの期待は高まるばかりです。