Genky(ゲンキー)が挑む「生鮮強化」の勝算は?2020年6月期の業績予想から読み解くドラッグストアの未来

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2019年07月22日の東京株式市場において、北陸地方を拠点に急成長を続けるドラッグストア、Genky DrugStores(ゲンキー)の株価が大きな注目を集めました。前週末の19日に発表された2020年6月期の業績見通しを受け、週明けの市場では失望売りが先行する展開となっています。株価は一時、前日比で8%も下落する2374円まで売り込まれ、投資家の間には動揺が広がりました。

今回の株価急落の背景には、売上高が順調に伸びる一方で、利益が伸び悩む「増収、営業利益横ばい」という予想があります。会社側が発表した今期の営業利益見通しは40億円と、前期並みの水準にとどまる見込みです。売上高は1150億円と前期比で11%の増収を計画しており、規模の拡大は着実に進んでいるものの、稼ぐ力を示す指標である営業利益率が3.5%へと低下する点が懸念されています。

コスト増を厭わぬ攻めの姿勢と「生鮮強化」の裏側

利益を圧迫している主な要因は、積極的な新規出店の継続と、戦略の柱に据えている「生鮮食品」の取り扱い拡大に伴うコストです。生鮮食品は利益率こそ低いものの、消費者の来店頻度を飛躍的に高める武器になります。専門用語で「ロス率」と呼ばれる、商品の廃棄リスクを管理しながら、いかに効率よく販売できるかが今後の鍵を握るでしょう。また、労働力不足による人件費の高騰も、収益性を押し下げる重荷となっているのが現状です。

SNS上では、利用者から「最近のゲンキーはスーパー並みに野菜や肉が安くて助かる」といった好意的な意見が多く見受けられます。一方で、投資家界隈からは「成長のための先行投資とはいえ、利益が追いつかないのは不安だ」というシビアな声も上がっています。このように、日常生活を支えるインフラとしての利便性と、企業としての収益性の間で、市場の評価が真っ二つに分かれている様子が伺えるでしょう。

編集者の視点から見れば、ゲンキーの戦略は極めて野心的で興味深いものだと感じます。多くのドラッグストアが化粧品や処方箋に頼る中で、あえて管理の難しい生鮮食品を強化するのは、地域密着型の「生活防衛拠点」を目指している証拠です。短期的には利益が鈍化しているように見えますが、この先行投資が物流の効率化や顧客の囲い込みに繋がれば、競合他社を圧倒する独自性を確立できる可能性を秘めています。

2019年07月22日時点での市場の反応は厳しいものでしたが、これは同社が大きな変革期にあることの裏返しとも言えるはずです。安価で新鮮な食材が並ぶ店舗は、地域の主婦層にとって既に欠かせない存在となりつつあります。目先の数字に一喜一憂するのではなく、この「食品強化」という独自のビジネスモデルが、どのようにして持続可能な利益成長へと転換していくのか、今後も同社の動向を注視していく必要があるでしょう。

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