巨人・浅野翔吾の挑戦:令和に蘇る“昭和のスター”の風格

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2024年8月、巨人の若き逸材・浅野翔吾選手が1軍昇格を果たし、鮮烈な活躍を見せています。高松商業高校出身の浅野選手は、高校時代から注目を集め、2022年のドラフト1位で巨人入り。2年目の今季は開幕から1軍でのスタートを切りましたが、最初の3試合で無安打に終わり、2軍へと降格。しかし、8月中旬にエリエ・ヘルナンデス選手の負傷に伴い再昇格を果たして以降、そのバットは快音を響かせ続けています。

8月14日の阪神戦では、及川雅貴投手から放った満塁本塁打が話題を呼び、チームに今季初の満塁弾をもたらしました。この一打に「まさかヒーローになれるなんて。とても嬉しい」と笑顔を見せた浅野選手。8月21日の広島戦では同点打を放ち、逆転勝利に貢献。「打球が歓声とともに飛んでいく感覚は格別」と、東京ドームでの熱狂を噛みしめました。さらに8月24日の中日戦では4安打2打点と大暴れし、「最近はいい形で打てています」と充実感を口にしています。

彼の成長を支えているのは、重心を下げたフォーム改造や下半身主導のスイングといった技術的な進化だけではありません。「絶対に巨人でレギュラーを取る」という覚悟を胸に、故郷の香川を恋しく思う気持ちを振り切り、目の前の課題に真摯に取り組む姿勢が、その飛躍の原動力となっています。

浅野選手が特に注目されるのは、その勝負強さと冷静さです。阪神戦での満塁弾は、単打で十分な場面で「バットを短く持ち、ヒットエンドランのように来た球を確実に振ろう」と決めて打った結果でした。8月21日の広島戦では、直前に先制弾を浴びた嫌な流れを断ち切る同点二塁打を放ちました。難敵・床田寛樹投手の配球を読み、「内角の直球を見て、次は落ちる球を狙った」と語る姿に、早くも勝負師の風格が漂います。

阿部慎之助監督も浅野選手に対する期待を隠しません。「彼の勝負勘や打席での表情が素晴らしい。戦っている姿勢がよく伝わる」と、その存在感を高く評価。「彼にはスターになってほしい」という言葉からも、期待の大きさがうかがえます。

浅野選手の身長は171センチとプロ野球選手としては小柄ですが、その強烈なスイングと実力から「和製アルトゥーベ」との異名も付けられています。アストロズのホセ・アルトゥーベ選手を彷彿とさせるそのプレースタイルは、確かに連想を誘いますが、どこか古風で寡黙な佇まいには昭和の名選手、中西太氏を思わせるものがあります。試合途中の本塁打でも派手な振る舞いを見せない浅野選手の姿に、かつて「野武士軍団」と称された西鉄ライオンズの香りを感じるファンも少なくありません。

SNS上では「浅野選手には昭和のスターの風格がある」「未来の巨人の顔だ」といった期待の声が相次いでいます。19歳という若さながら、浅野選手が持つ勝負強さと落ち着きは、時代を超えて愛されるスター選手への道を切り開いているようです。令和のプロ野球界に、昭和の輝きを放つ新星が現れたと言えるでしょう。

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