プーチン大統領がモンゴル訪問:国際刑事裁判所の逮捕状と外交の狭間で

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2024年9月2日、ロシア大統領府はプーチン大統領がモンゴルの首都ウランバートルに到着したと発表しました。この訪問は、国際刑事裁判所(ICC)がプーチン氏に対して発行した逮捕状が影を落とす中で行われました。ICCは、ウクライナ侵攻中に子どもをロシアに強制移送した疑いで、2023年3月にプーチン氏の逮捕状を出しており、ICC加盟国であるモンゴルは、大統領が入国すれば逮捕してICCに引き渡す義務を負います。

この逮捕状発行後、プーチン氏がICC加盟国を訪問するのは初めてのことです。そのため、今回の訪問がどのように進展するのか、国際社会の注目が集まっています。ロシア大統領報道官のペスコフ氏は、8月30日に「逮捕の可能性を心配していない」と記者団に語りました。報道によれば、モンゴルと事前に逮捕を回避する合意がなされていたと見られています。

これまでプーチン氏は、中国や北朝鮮、アラブ首長国連邦(UAE)、旧ソ連諸国などのICC非加盟国への訪問に限定してきました。しかし、今回のモンゴル訪問はその流れを変える試みであり、リスクも伴います。ウクライナ外務省は8月30日、モンゴルに対し逮捕義務の履行を求める声明を発表しており、モンゴルがこれに応じなければ国際的な批判を受ける可能性が高い状況です。

9月3日には、プーチン氏がモンゴルのフレルスフ大統領と首脳会談を行う予定です。会談では、ロシアとモンゴルの関係強化に向けた議論が行われ、国際的および地域的な課題についても意見が交わされる見通しです。

SNSでは、この訪問に関する議論が白熱しています。「モンゴルが逮捕を回避した場合の国際的な信頼低下を懸念する声」や「プーチン大統領が逮捕リスクを承知で訪問した背景への疑問」が飛び交う一方で、「モンゴルとロシアの関係強化が目的だろう」と冷静な分析を示す投稿も見られます。

プーチン氏の今回の訪問は、国際法と外交のバランスを問う象徴的な出来事となるでしょう。同時に、モンゴルがどのような対応を取るのか、その選択が国際的な影響を与えることは間違いありません。

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