少女たちの輝きを映す映画『満月、世界』:未来への希望を紡ぐオムニバス作品

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「子どもたちは世界の光。その光を映画に残したい」という思いから、塚田万理奈監督が故郷の長野市を舞台にしたオムニバス映画『満月、世界』を完成させました。2016年の初長編作『空(カラ)の味』で知られる塚田監督が手がけた本作は、2024年9月21日より東京・渋谷のユーロスペースで上映が始まり、その後全国で公開されます。

この映画は2本の短編で構成されており、1本目の『満月』では、小説を書くことを夢見て日々を生きる中学生を、2本目の『世界』では、吃音に悩む少女と、人生に迷いを感じる女性歌手の交流を描いています。それぞれの主人公を演じるのは、地元で当時中高生だった満月さんと涌井秋さんです。塚田監督はワークショップを通じて出会った2人の個性を物語に取り入れ、少女たちが抱える不安や希望が交錯する日常を繊細に描き出しました。

この作品が生まれるきっかけとなったのは、塚田監督が2020年から取り組む長編映画『刻(とき)』の制作過程です。この映画は、自身の体験を基に、中学生から大人になるまでの10年間を1人の役者が演じ続けるというユニークな手法で撮影されています。撮影を進める中で多くの子どもたちと出会い、その可能性に触発された監督は、「過去を残すために始めた『刻』の制作が、次第に今を生きる子どもたちの光を映したいという思いに変わった」と語ります。

『世界』に登場する女性歌手は、劇中で少女にひそかに癒やされ、彼女への感謝と愛情を感じる場面があります。このキャラクターには、監督自身の思いが反映されているといいます。「直接会えなくても、誰かがあなたを愛していることを表現したかった」と語る塚田監督。彼女自身も子どもを持つ親として、「次世代が安心して生きていける社会を作りたい」という強い願いを抱いています。

SNSでは「次世代へのエールを感じる」「少女たちの日常のリアルさに共感」といった声が広がり、塚田監督のメッセージが幅広い世代に響いています。映画『満月、世界』は、未来に希望を灯し、次世代に向けた温かな眼差しを描いた作品として、観る者の心に深く刻まれるでしょう。

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