杜の都・仙台が、テクノロジーの力で行政サービスの在り方を大きく変えようとしています。仙台市は2019年07月、ロボティック・プロセス・オートメーション(通称:RPA)の本格的な導入を開始しました。RPAとは、これまで人間がコンピューター上で行ってきた定型的な入力作業やデータ照合などを、ソフトウェアのロボットが代行して自動化する技術のことです。事務作業の「自動化の旗手」として、今まさに全国の自治体から熱い視線が注がれています。
この本格導入に先駆け、市では2018年09月から2019年03月にかけて、9つの課にまたがる14の業務で入念な実証実験が行われました。その結果は驚くべきもので、対象となった業務の作業時間を約6割も削減することに成功したのです。SNS上では「役所の待ち時間が減るなら大歓迎」「公務員もクリエイティブな仕事に集中できる時代が来た」といった、市民からの前向きな期待の声が数多く寄せられており、大きな反響を呼んでいます。
今回の本格運用では、実証実験で特に高い成果が見られた労務管理や情報管理といった分野に焦点が当てられました。具体的には、NTTデータやアイネスが開発した高度なRPAツールが5つの課へ配備されています。ロボットが得意な反復作業を肩代わりすることで、職員の皆さんは企画立案や、市民一人ひとりに寄り添った丁寧な対面業務など、人間だからこそできる「価値の高い仕事」に注力できる環境が整いつつあるのでしょう。
2020年度の全庁展開を見据えた仙台市のICT戦略と今後の展望
仙台市の挑戦は、単なる一部署の効率化に留まりません。2019年度中には、教育分野を含む5つの新たな業務で実証実験が計画されており、ICT活用の幅をさらに広げていく構えです。さらに2020年度には、市役所全体への一斉展開を目指しているというから驚きですね。この拡大に向けて、2019年度内には具体的な運用ルールや適用方針の策定が進められる予定で、組織としての基盤作りが着実に進行しています。
編集者の視点から言えば、この取り組みは単なる「時短」以上の価値を秘めていると感じます。人口減少社会において行政組織の肥大化が抑えられる一方で、サービスの質を維持・向上させるためには、デジタル技術との共存は避けて通れません。仙台市が示す「ロボットと人間の役割分担」というモデルケースは、保守的になりがちな地方自治体のICT化において、非常に勇気ある先進的な一歩であると断言できるはずです。
今後の課題としては、ロボットが停止した際のバックアップ体制や、複雑化する業務フローをいかにシンプルに保つかが鍵となるでしょう。しかし、2019年07月の本格始動を起点として、仙台市が「スマート自治体」のトップランナーへと駆け上がる可能性は極めて高いと考えられます。テクノロジーがもたらす行政の進化によって、私たちの暮らしがより豊かでスピーディーなものへとアップデートされていく日々が、すぐそこまで来ているに違いありません。