大阪・関西万博2025:災害対応計画と安全確保への取り組み

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2025年4月13日から大阪市此花区夢洲で開催される大阪・関西万博に向けて、日本国際博覧会協会は2024年9月2日、大規模災害時の避難対応を含む防災実施計画を発表しました。約6カ月間の会期中、1日最大22万7000人、累計で2820万人の来場が見込まれる中、災害時に来場者が島内に取り残される可能性を考慮し、最大3日間にわたる滞留リスクに備え、60万食の備蓄を確保するなどの万全の体制が計画されています。

夢洲は人工島であり、陸路は橋と海底トンネル、延伸中の地下鉄の3ルートに限られます。そのため、震度5弱以上の地震や南海トラフ地震臨時情報の発表時には災害対策本部が設置され、段階的な対応を行うことが決まっています。地震による津波被害のリスクは低いとされていますが、橋やトンネルが安全確認のため一時的に通行止めとなる可能性が高く、来場者の一時滞在が必要になることを想定しています。

災害対応は発生後の時間経過に応じて5つのフェーズに分けられます。第1フェーズでは負傷者の救護や安全確認を行い、第2フェーズでは会場内の一時滞在施設を開設。第3フェーズでは道路状況を把握しつつ代替輸送手段を調整し、滞在者への食料や水の配布を開始します。第4フェーズでは船舶を利用した避難が必要な場合に備え、船舶事業者に協力を要請。第5フェーズでは交通網が復旧次第、バスによる輸送を実施します。滞留中の食料や水、簡易トイレ、生理用品などの物資配布は継続されます。

備蓄品は、アレルギー対策や宗教的配慮を考慮したアルファ米60万食、飲料水190万本、幼児用ミルク5000リットル、紙おむつ11万2000枚、簡易トイレ195万枚、生理用品8万8000枚を用意。会場内の飲食店にも、来場者への食料・飲料提供への協力を求めることで備蓄量をさらに強化します。物資が不足した場合には、大阪府や市に救援要請を行い、必要に応じて近隣自治体の支援も受ける方針です。

台風時の対策としては、最接近の5日前から気象情報を収集し、3日前には営業時間短縮や営業内容変更を検討。12時間前にはテントやパラソルの撤去を進め、安全を確保します。また、猛暑対策としては、会場入口周辺に遮熱性アスファルトを敷設し、スポットエアコンで涼を提供。パビリオンは予約制を導入し、待ち時間を短縮する一方、日よけ用のすだれも設置されます。

協会幹部は、「計画の実効性を高めるため、今後は部署間や関係機関との連携を強化する」と述べています。SNS上では「これだけの来場者を想定した防災計画はさすが日本」「具体的な対応策が明確で安心感がある」といった声が広がる一方で、「現場で実際に機能するのか」「大規模災害時に物流が滞った場合の対応が見えない」といった課題を指摘する声も見られます。

大阪・関西万博は未来の日本を象徴する国際イベントであり、安全と安心を第一に進められるこの防災計画が、その成功の鍵を握ることでしょう。

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