テンセントが動く!中国ゲーム業界の「利益配分」を巡る5:5の攻防とスマホメーカーの苦悩

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中国のモバイルゲーム市場において、業界を揺るがす大きな地殻変動が起きています。2019年07月25日現在、圧倒的な影響力を誇る騰訊(テンセント)が、アプリストアを運営する各プラットフォームに対し、収益の取り分を大幅に引き上げるよう要求していることが明らかになりました。これまで中国のゲーム業界では、開発・配信側とアプリストア側で利益を5対5で分け合うことが暗黙の了解となっていました。しかし、テンセントはこの慣習を打破し、自社の取り分を7割にまで高める「7対3」の配分率を求めて交渉に乗り出しています。

この強気な姿勢の背景には、同社が抱える圧倒的なコンテンツ力があります。人気のゲームタイトルを多数保有する配信側にとって、アプリストアはあくまで「窓口」に過ぎません。SNS上では「ついにテンセントが動いたか」「ストア側の手数料が高すぎただけ」といった声が上がる一方で、中小メーカーへの影響を懸念する意見も散見されます。アプリストアとは、スマートフォンでアプリをダウンロードするための専用プラットフォームのことですが、これまではスマホメーカーがその主導権を握り、多額の手数料を徴収することで安定した収益を得てきました。

縮小する市場とスマホメーカーの抵抗

現在、中国当局は新作ゲームのリリースに必要な「版号(審査番号)」の発行を厳格化しており、業界全体に逆風が吹き荒れています。市場が縮小傾向にある中、限られたパイを奪い合う構図が鮮明になってきました。報道によれば、一部のスマートフォンメーカーは既にテンセントの条件を呑んだとされていますが、大手メーカーの一角であるOPPO(オッポ)などは依然としてこの要求を拒否している模様です。プラットフォーマーにとっては、自社のストアで人気作が配信されないリスクと、収益減という究極の選択を迫られている状況といえるでしょう。

編集者の視点から言えば、この対立はデジタルコンテンツの「価値」がどこにあるのかを問い直す象徴的な出来事だと感じます。これまでは「場」を提供するストア側が優位でしたが、強力なIP(知的財産)を持つ者がルールを書き換える時代に突入したのです。テンセントのような巨人が既存のビジネスモデルを破壊することで、業界全体の利益構造が健全化するのか、あるいは独占が加速するのか、今後の推移から目が離せません。この戦いの結末は、中国のみならず世界のアプリビジネスのあり方に一石を投じることになるはずです。

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