2024年8月30日、ロンドン先物市場でロブスタ種コーヒー豆の11月物価格が一時1トン5180ドルを記録しました。これは、2024年初めの2800ドル台と比べて約8割も高い水準で、初めて5000ドル台を突破した歴史的な出来事です。この背景には、地球規模で影響を与えるエルニーニョ現象が深く関わっています。
ロブスタ種の最大生産国であるベトナムでは、2023年春に発生したエルニーニョ現象の影響で気温が上昇し、干ばつが続いています。その結果、コーヒー豆の生産量が減少しており、市場価格の上昇を引き起こしているのです。さらに、ヘッジファンドなどの投機的資金が市場に流入し、価格の押し上げに拍車をかけています。
石光商事の田原鈴代コーヒー・茶類事業部長は、「干ばつによる生産量の減少見込みが、現在の相場を支えている」と分析しています。そして、「11月ごろの収穫期に入るまでは、この高値が続く可能性が高い」との見解を示しました。
さらに、ここ数年、ベトナムでは高値で取引されるフルーツ、ドリアンへの転作が進んでいます。この農作物の切り替えが、ロブスタ種コーヒー豆の供給量減少に拍車をかけているのです。農家たちは、今後さらに価格が上がることを期待し、売り渋りの傾向を強めています。このような供給不足の懸念が、さらなる価格上昇を招いていると考えられます。
SNS上では、「コーヒー好きにとってつらいニュース」「気候変動がこんなところにも影響しているなんて」といった声が多く上がっています。また、一部では「ドリアン人気がコーヒー市場を変えるなんて興味深い!」といった驚きのコメントも見られ、注目が集まっています。
コーヒーは日々の生活に欠かせない飲み物ですが、気候変動や経済動向が私たちの手に届くまでの価格に大きく影響を与えているのです。このような状況を踏まえると、日々のコーヒーの一杯にもさまざまな背景が隠されていることを改めて実感しますね。