中国のホテルチェーン業界に革命!華住集団が1万拠点を突破した理由

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中国のホテル業界で急成長を遂げる華住集団が、2024年夏までに運営拠点数を1万カ所以上に拡大しました。この成功の背景には、フランチャイズチェーン(FC)方式を中心とした効率的な運営モデルと、IT技術を活用した独自の顧客戦略があるのです。

華住集団の創業は2005年に遡ります。同社は、中国最大の旅行予約サイト「携程集団(トリップドットコムグループ)」の共同創業者でもある季琦氏が、江蘇省蘇州市に低価格帯ホテル「漢庭酒店」を開業したことから始まりました。それから約20年の間に、中価格帯の「全季酒店」や「桔子酒店」など、20ものブランドを展開するまでに成長しています。これにより、2023年末時点では9394カ所のホテルを運営し、国有企業で業界トップの錦江国際集団に次ぐ規模となりました。今年1月から6月の間にも1136カ所を新たに開業し、ついに節目となる1万カ所を突破しました。

華住集団が急拡大を可能にしたのは、土地使用料や建設費を負担しないフランチャイズ方式を活用した戦略です。同時に、フランチャイズでありながら本部から経験豊富なマネジャーを派遣し、どの拠点でも均一な「華住品質」を提供している点が特徴です。この一貫性が顧客からの信頼を獲得する鍵となっています。また、部屋の在庫管理や運営に使用するシステムはすべて自社で開発されており、ホテルの運営効率を飛躍的に高めています。

さらに、華住の施設ではIT技術が活用されており、顧客体験の向上にも力を入れています。例えば、上海にある「全季酒店」では、料理の宅配を注文すると、自動運転ロボットが料理を部屋まで届け、到着を電話で知らせてくれるという革新的なサービスが提供されています。このように、ホテル全体がITで一元管理されている点は、他のチェーンとの差別化要因となっています。

少子化が進む中国では新規顧客の開拓が難しくなる中、華住集団は独自の会員プログラム「華住会」を武器に、リピーターの確保を図っています。このプログラムの登録者は2億人を超え、宿泊件数の70%以上が会員による予約です。顧客ごとに割引や特典を提供することで、会員の満足度を高めるとともに、リピート率を向上させています。

SNSでは、「華住集団の成長はまさに中国経済の縮図」「ロボットが料理を運ぶなんて近未来的!」といった驚きの声や、「会員プログラムが本当にお得で使いやすい」といった実際の利用者からの好評も見られます。一方で、「少子化の影響をどう乗り越えるのか」といった今後の課題への関心も高まっています。

華住集団の成功は、効率性と顧客体験を両立した戦略の成果と言えるでしょう。1万拠点を超えた今、同社がさらにどのような革新をもたらすのか、世界中の注目を集めています。

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