米中貿易戦争の行方は?上海で閣僚級協議が再開、ファーウェイ制裁緩和と構造改革の深い溝に注目

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世界経済を揺るがしているアメリカと中国の貿易摩擦が、新たな局面を迎えようとしています。両国は2019年07月30日から、中国の上海にて閣僚級の貿易協議を再び開始することを決定しました。対面での話し合いが行われるのは、交渉が決裂してしまった2019年05月上旬以来、実におよそ3カ月ぶりの出来事となります。今回の再開には、停滞していた関係を動かそうとする双方の意欲が伺えます。

この歴史的な対話のテーブルに座るのは、アメリカのライトハイザー通商代表部(USTR)代表とムニューシン財務長官、そして中国側の窓口である劉鶴副首相といった重鎮たちです。SNS上では「ようやく対話が始まるのか」と安堵する声がある一方で、「簡単に妥協点が見つかるとは思えない」といった悲観的な予測も飛び交っており、投資家やビジネスマンたちは息を呑んで上海からの速報を待っている状況でしょう。

今回の協議で最も注目されているポイントは、中国側がアメリカ産の農産品を輸入するという譲歩案を提示したのに対し、ホワイトハウスが通信機器大手の「華為技術(ファーウェイ)」への制裁をどの程度緩めるかという点です。ファーウェイへの制裁とは、安全保障を理由にアメリカ企業が同社と取引することを制限する措置のことですが、これが解除されるかどうかは、今後のハイテク産業の勢力図を左右する極めて重要な鍵を握っています。

しかし、交渉の道のりは決して平坦ではありません。両国の間には「構造問題」という非常に分厚い壁が立ちはだかっています。構造問題とは、中国政府が自国の特定の産業に対して多額の金銭的な援助を行う「産業補助金制度」や、知的財産権の保護のあり方など、経済システムの根幹に関わるルールの違いを指します。アメリカはこれらの是正を強く求めていますが、中国にとっては国家の成長戦略に関わる部分だけに、簡単に首を縦に振ることは難しいはずです。

編集者としての視点から言えば、今回の協議は単なる関税の引き下げ合戦ではなく、未来の覇権をかけた「知の戦争」の延長線上にあると感じます。双方が面目を保ちつつ、どこで折り合いをつけるのかという高度な政治的駆け引きが期待されるでしょう。今回の上海での話し合いが、世界経済の不透明感を払拭する一歩になるのか、それともさらなる対立の火種を燃え上がらせるのか、一瞬たりとも目が離せない熱い数日間になりそうです。

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