2024年9月2日、インドネシアはバリ島でアフリカ諸国との国際会議「インドネシア・アフリカ・フォーラム」を開催しました。この会議には約20カ国のアフリカ諸国から国家元首や閣僚、国際機関関係者など1000人以上が参加し、エネルギーや医療分野などで合計35億ドル(約5100億円)相当の協業に合意しました。この取り組みは、いわゆる「グローバルサウス」と呼ばれる新興国や途上国同士の連携を深めることで、国際的な影響力を高める狙いがあります。
会議の冒頭でジョコ・ウィドド大統領は、「SDGs(持続可能な開発目標)の達成に向け、インドネシアはグローバルサウスの利益を守りながら、世界的な解決策を創出するために尽力する」と強調しました。このフォーラムは、2018年の初回以来6年ぶりの開催で、今回の協力規模は前回の6億ドルから大幅に拡大しています。
会議では、企業間の連携を議論するビジネス会議も行われました。具体的には、インドネシアの国営電力会社PLNがタンザニアで地熱発電所の開発を検討しているほか、国営製薬会社ビオ・ファルマがガーナの企業と健康関連の技術開発で協力する予定です。こうしたプロジェクトを通じて、持続可能なエネルギーや医療技術の分野での連携が期待されています。
2023年のインドネシアとアフリカ間の貿易額は167億ドルに達し、これはインドネシア全体の貿易額の約3%強を占めます。10年前と比較すると貿易額は5割増加しており、両地域の経済的な結びつきが強まっていることがわかります。特にインドネシアの原油輸入量の約2割がアフリカからであり、アフリカ諸国にとってもパーム油や石炭の主要輸出国であるインドネシアは重要なパートナーとなっています。
アフリカは2050年には現在の1.7倍にあたる約24億8500万人の人口を抱えると予測されており、今後の巨大市場として注目されています。また、米中対立が激化する中で、アフリカは国際的な陣営づくりにおいても重要な役割を果たしています。
SNSでは、「インドネシアとアフリカの連携は未来の可能性を広げる」「エネルギーや医療の分野での協力が発展を加速させる」といった期待の声が多く見られます。一方で、「グローバルサウスの結束は世界的なパワーバランスを変える可能性がある」といった分析も広がっています。
この国際会議を通じて、インドネシアとアフリカの連携は、単なる経済的なパートナーシップにとどまらず、持続可能な開発や国際社会での影響力拡大を目指す新たな段階に進んだといえるでしょう。この協力が今後どのように具体化していくのか、引き続き注目が集まります。