2024年7月に実施された格付投資情報センター(R&I)のカントリーリスク調査によると、イスラエルの評価点が前回調査(同年1月)から0.7ポイント低下しました。この下落幅は調査対象となった100カ国・地域の中で最も大きく、イスラエルのリスクが投資家にとって一層懸念材料となっていることを浮き彫りにしています。
R&Iのカントリーリスク調査は、国内の大手銀行やシンクタンクを対象にアンケート形式で実施され、国・地域ごとの投資リスクを10点満点で評価します。点数が高いほどリスクが低いとされ、今回の調査では全体平均は5.8点と横ばいを維持しました。しかし、イスラエルは前回の66位から85位へと大きく順位を下げ、2023年7月の30位からの下落幅はさらに目立つ結果となりました。
この評価の低下は、パレスチナ自治区ガザでの戦闘が2023年10月以降長期化していることや、隣国イランとの緊張関係が背景にあるとみられます。特にガザでの戦闘は、イスラエル国内外に深刻な安全保障リスクをもたらし、国際的な投資環境にも影響を与えています。
一方で、評価の下落幅が2番目に大きかった国はイランで、前回調査から0.5ポイント減少しました。これには、イスラエルとの軍事的緊張の高まりに加え、2024年5月に発生したヘリコプター墜落事故でのライシ前大統領の死去による政治的不安定が影響しています。
SNSでは、「イスラエルのカントリーリスク低下は、投資先としての魅力が損なわれている証拠だ」「中東地域の緊張が投資家心理を冷え込ませている」といった意見が多く見られます。一方で、「地政学リスクがあるものの、テクノロジー分野では依然として競争力が高い」とイスラエルの強みを指摘する声もあります。
今回の調査結果は、イスラエルが抱える地政学的課題が国際的な投資環境に与える影響を改めて浮き彫りにしました。今後、同国がどのように内外の緊張緩和に向けた取り組みを進め、投資先としての信頼を回復するのか、注目されます。