日本を代表する通信の巨人、NTTが再び世界の荒波へと漕ぎ出しました。2019年07月01日に、これまで買収してきた海外の子会社28社を統合し、新会社「NTTリミテッド」をロンドンに設立したのです。かつて海外展開で苦い経験を味わった同社ですが、今回の再編からは並々ならぬ覚悟が感じられます。世界中のリソースを一つに束ねることで、機動力のあるグローバル企業へと生まれ変わろうとしているのでしょう。
この大胆な改革に対し、SNSでは「今度こそ本気を見せてほしい」といった期待の声が上がる一方で、「内向きな社風が海外勢と融合できるのか」という冷静な分析も目立っています。巨大組織ゆえの課題は山積みかもしれませんが、日本発のITサービスが世界を席巻する姿を待ち望んでいるファンは決して少なくありません。今回の統合は、まさに同社にとって歴史的なターニングポイントになると言っても過言ではないはずです。
GAFAの「グローバル」に抗う、NTT独自の「ローカル」戦略とは
現在、世界のIT市場はGAFAと呼ばれる巨大企業、すなわちグーグル、アップル、フェイスブック、アマゾンによって支配されています。彼らは膨大なデータを一箇所に集約する「グローバルモデル」で急成長を遂げました。これに対し、NTTが掲げるのは、各地域の特性や顧客ニーズに深く根ざした「ローカルモデル」という対抗策です。地域密着型のきめ細やかなサポートこそが、画一的なサービスにはない強みとなります。
ここで鍵を握るのが、次世代の通信基盤構想である「IOWN(アイオン)」です。これは「Innovative Optical and Wireless Network」の略称で、従来の電子技術ではなく、光ベースの技術をネットワークから端末まで導入する革新的な試みだと言えます。電気信号を光に置き換えることで、通信の遅延を極限まで減らし、消費電力を劇的に抑えることが可能になります。まさに、既存のインターネットの限界を突破する夢の技術でしょう。
編集者としての視点から述べれば、NTTの勝機はこの「技術力」と「信頼性」の融合にあります。GAFAのようなデータ独占への警戒感が世界的に高まる中、透明性の高い日本企業の姿勢は、海外の公共機関や大企業にとって魅力的な選択肢に映るに違いありません。単なる通信会社から、世界を支えるテクノロジー・パートナーへと脱皮できるかどうかが、今後の数年間で厳しく問われることになるでしょう。
最終的な成功を左右するのは、やはり「内向きな社風」をどこまで打破できるかという点に集約されます。2019年07月31日現在、多種多様な国籍や文化を持つ社員たちが、一つの旗の下でシナジーを生み出せるかが最大の注目ポイントです。日本独自の繊細な技術と、海外企業のダイナミズムが融合したとき、GAFAの牙城を崩す真の「第三の選択肢」が誕生するのかもしれません。