2019年7月30日、日本を代表する総合電機メーカーである三菱電機が、同年4月から6月期における連結決算を公表しました。国際会計基準に基づいた今回の発表によれば、最終的な儲けを示す純利益は427億円となっており、前年の同じ時期と比べて10%の減少を記録しています。同期間の減益は2年連続という結果になり、製造業界全体に漂う厳しい空気感が浮き彫りになった形でしょう。
今回の業績悪化を招いた最大の要因は、世界経済の二大巨頭であるアメリカと中国の貿易摩擦が深刻化したことです。関税の掛け合いといった政治的な対立が引き金となり、中国市場を中心に製造現場の熱量が冷え込んでしまいました。特にスマートフォン向け需要の飽和も重なったことで、ハイテク分野への投資が目に見えて停滞している様子が伺えるのではないでしょうか。
こうした逆風をダイレクトに受けてしまったのが、同社の稼ぎ頭である「FA機器」部門です。FAとはファクトリーオートメーションの略称で、人間の代わりにロボットやコンピューターが工場を動かす「自動化システム」を指す専門用語になります。人手不足解消の切り札として期待される分野ですが、現在は景気の不透明感から設備投資を手控える動きが強まっており、苦戦を強いられているようです。
逆境で見せた家電・重電部門の底力とSNSでのリアルな反応
しかし、決して暗いニュースばかりではありません。厳しいFA部門とは対照的に、私たちの生活に身近な「家電」や、社会インフラを支える「重電」部門は非常に堅調な推移を見せています。三菱電機が誇る省エネ性能の高いエアコンなどの製品が消費者の支持を集めており、事業ポートフォリオの多様性が、会社全体の急激な失速を食い止める防波堤として機能しているといえます。
SNS上では今回の決算発表を受け、「中国経済の冷え込みがここまで顕著に出るとは意外だった」という驚きの声が上がる一方で、「三菱電機の製品は信頼性が高いので、家電が強いのは納得の結果だ」といったポジティブな投稿も見受けられます。投資家だけでなく一般のユーザーからも、同社の技術力に対する信頼と、今後の景気回復への期待が入り混じった複雑な視線が注がれているのです。
編集者の視点から分析すると、今回の結果は特定分野の不振を他部門で補う「総合力の勝利」とも評価できます。確かにFA機器の落ち込みは懸念材料ですが、次世代の5G普及や製造業のデジタル化が進めば、再び追い風が吹くことは間違いありません。目先の数字に一喜一憂せず、同社が培ってきた卓越した技術がどのように次の一手を生み出すのか、今後の動向から目が離せない状況といえるでしょう。