2019年07月31日現在、就職活動の最前線ではインターネットを駆使した激しい情報戦が繰り広げられています。かつてはリクナビやマイナビといった「ナビサイト」が情報の中心でしたが、今やSNSや口コミサイト、動画配信など、学生が触れるチャネルは多角化の一途を辿っています。しかし、情報の海が広がる一方で、その精度を見極める「リテラシー(情報を正しく理解し活用する能力)」が、内定の成否を分ける決定的な要素となっているのです。
例えば、あるコンサルティング会社の内定を得た学生が、入社直前の説明会で「実は採用サイトに書いた週休2日は嘘で、土曜出勤がある」と告げられるという、耳を疑うような事件が起きています。このように、企業の公式情報であっても、学生を集めるための「見せかけ」であるリスクはゼロではありません。ネット上の噂に一喜一憂するのではなく、得た情報の真実性をいかにして裏付けるかが、後悔しない就職活動の第一歩と言えるでしょう。
「ナビサイト不信」が生んだ口コミサイトの台頭と落とし穴
最近の学生の間では、企業が良い面ばかりを強調するナビサイトをあえて利用せず、現役社員や元社員の本音が綴られた「口コミサイト」を指標にする動きが加速しています。2019年07月31日時点のデータによれば、転職者向けの口コミサイトを就活生の約70万人が利用しているという驚きの実態が明らかになりました。匿名だからこそ書ける「残業の実態」や「人間関係」は、企業が隠したがる内情を知るための強力な武器となります。
しかし、こうした「生の声」を鵜呑みにするのは非常に危険です。ある菓子メーカーでは、8年以上前の古い悪評がネット上に残り続け、現在のホワイトな労働環境が正しく伝わらないという被害に悩まされていました。口コミを書くのは退職者である場合が多く、ネガティブな感情がバイアス(偏り)としてかかりがちです。情報は常に「鮮度」と「発信者の立場」を考慮して読み解かなければ、絶好のチャンスを逃すことにも繋がりかねません。
動画やラジオで「ファン」を作る!企業の新たな情報発信スタイル
情報の不透明さを解消するため、企業側も自ら「脱・黒子」を掲げてユニークな発信を始めています。ゼネコン大手の高松建設は、ガールズバンドを起用したプロモーション動画をYouTubeに公開し、建設業界の「きつい・男社会」という固定観念を打ち破る試みに挑戦しています。視覚的なインパクトでイメージを刷新し、これまで接点のなかった層にアプローチする手法は、SNS時代のブランディングとして非常に効果的でしょう。
また、大手商社の双日は、2019年03月から採用サイト内で「ネットラジオ」の定期配信を開始しました。若手人事担当者がパーソナリティを務め、オフィス紹介や海外駐在員へのインタビューを届けることで、人事の「怖い」というイメージを払拭し、学生との距離を縮めることに成功しています。こうした「親近感」を醸成する戦略は、単なるスペックの提示を超えて、学生を企業の「ファン」にさせる新しい採用の形と言えます。
編集者の視点:情報戦を勝ち抜くのは「泥臭い確認」ができる人
筆者の個人的な見解としては、情報が溢れる現代だからこそ、最終的には「アナログな確認」こそが最強の武器になると考えています。SNSでの反響を見ると、「ネットの噂を信じて志望度を下げたが、実際にOB訪問をしたら全く違った」という声も少なくありません。ネットで予習をし、そこで得た疑問を説明会や面接で直接ぶつけてみる。この泥臭いプロセスを惜しまない学生こそが、ミスマッチのない幸福な内定を勝ち取れるのではないでしょうか。
企業側も、都合の悪い情報を隠す時代は終わったと認識すべきでしょう。過去の悪い口コミを認め、改善した実績を堂々と説明する姿勢こそが、今の学生が求めている「誠実さ」に直結します。2019年07月31日、就活はもはや単なる選考の場ではなく、企業と学生が互いの情報の質を試し合う、高度なコミュニケーション・バトルへと進化したのです。あなたはこの情報戦において、情報の「消費者」で終わるのか、それとも「目利き」になれるでしょうか。