2024年9月現在、エネルギー関連事業を展開するエネチェンジが、電気自動車(EV)充電事業に関する会計処理問題を受けて、新たな事業計画を発表しました。同社は、EV充電設備の普及促進や電力・ガス料金の比較サイトの拡大を主軸に据え、経営再建と事業成長の両立を目指しています。この計画では、2026年3月期に経常損益を黒字化するという目標を掲げており、今後の動向が注目されています。
エネチェンジでは、2023年7月末に城口洋平CEOが、EV充電設備の特別目的会社(SPC)への不透明な間接出資を巡る問題で辞任。その後、同年9月3日に臨時株主総会が開かれ、新しい経営体制へ移行することとなりました。また、同社は決算期をこれまでの12月期から3月期へと変更し、2025年3月期は15カ月間の変則的な決算期となります。これに伴い、2023年12月期と比較して連結売上高が48%増加し、65億円に達する見込みですが、経常損益については引き続き赤字が続くとしています。
EV充電事業では、ホテルや商業施設向けの出力6キロワットの普通充電器の設置台数で、2023年末時点で国内シェアの約6割を占める状況です。さらに、マンションなどを対象にした充電器の設置を強化し、国内市場でのシェア首位を目指しています。これにより、EV充電収入の増加を図る考えです。一方、電力・ガス料金比較サイト事業においては、新電力の利用者増加を見込み、2027年には利用件数を2023年12月期の約2倍となる110万件に拡大する目標を掲げています。
同社は、会計処理問題により、2023年12月末時点で14億円の債務超過に陥りましたが、2024年2月に産業革新投資機構(JIC)から約40億円の出資を受けたことで、債務超過を解消しました。しかし、依然として赤字基調が続く見通しであるため、「財政基盤のさらなる強化策を幅広く検討中」との方針を示しています。
SNS上では、「問題発覚後も事業拡大に挑む姿勢が評価できる」「EV充電市場の将来性に期待」といったコメントが寄せられる一方で、「財務リスクへの対応が鍵になる」といった慎重な意見も目立っています。国内でのEV普及が進む中、エネチェンジが掲げる新たな目標は、多くの人々の関心を集めています。財務再建を進めながらEV充電市場でのリーダーシップを確立できるのか、今後の取り組みに目が離せません。