名古屋市民に親しまれている東山動植物園から、非常に寂しいニュースが届きました。2019年07月30日、日本国内で唯一、同園だけで飼育されていた貴重なソマリノロバの「サクラ」が、17歳でその生涯を閉じたことが発表されています。死因は心不全とされており、あまりにも突然の別れに、多くのファンや関係者が深い悲しみに包まれている状況です。
サクラは2001年に同園で誕生して以来、看板娘のような存在として愛されてきました。17歳という年齢は、人間に換算するとおよそ50歳から60歳ほどに相当し、まさに成熟した美しさを備えた時期だったと言えるでしょう。彼女の最大の特徴は、見る者を惹きつける気品あふれる毛並みの美しさにあり、展示場の前ではその優雅な姿を写真に収めようとする来園者が後を絶ちませんでした。
ソマリノロバという動物に馴染みがない方もいるかもしれませんが、これはアフリカ東部に生息する野生のロバの仲間です。最大の特徴は脚にあるシマウマのような美しい縞模様で、世界的に見ても生息数が極めて少ない「絶滅危惧種」に指定されています。野生下では数百頭ほどしか生き残っていないとされるほど、生物多様性の観点からも非常に守るべき価値の高い存在なのです。
SNS上では、訃報を受けたファンから「あの凛とした姿をもう見られないなんて信じられない」「会いに行くたびに癒やされていたので、ショックが大きい」といった惜別の声が次々と投稿されています。中には、幼い頃にサクラを見て動物好きになったというエピソードを綴る方もおり、彼女がどれほど多くの人々の心に寄り添い、動植物への関心を高める架け橋となっていたかが伺えます。
筆者の個人的な見解としては、国内でたった一頭しかいなかったソマリノロバを、ここまで健やかに育て上げた飼育スタッフの方々の並々ならぬ努力に敬意を表さずにはいられません。サクラの死は一つの時代の終わりを感じさせますが、彼女が私たちに教えてくれた「命の尊さ」や「希少種の保護の重要性」は、決して消えることはないはずです。今はただ、安らかに眠ってほしいと願うばかりですね。