2019年07月31日、アメリカの上院議会において、次期国連大使にケリー・クラフト氏を起用する人事が正式に承認されました。彼女はこれまで駐カナダ大使として手腕を振るってきましたが、今後は世界の外交舞台である国際連合へとその活動の場を移すことになります。2018年12月に前任のニッキー・ヘイリー氏が惜しまれつつも辞任して以来、世界のリーダーである米国の国連大使ポストは約半年以上にわたって空席の状態が続いていました。
この重要なポストが埋まったことに対し、SNSやネット上では「ようやく米国の窓口が決定した」と安堵する声が上がる一方で、「外交経験の浅さが懸念されるのではないか」といった慎重な意見も見受けられます。国連大使とは、国際連合(UN)において自国の代表として議論に参加し、安全保障や人権問題などの重要課題について意思決定に関わる非常に重い役職です。そのため、彼女がトランプ政権の意向をどのように国際社会へ反映させていくのか、世界中から熱い視線が注がれているのです。
私の視点から申し上げますと、今回の人事は非常に戦略的な側面が強いと感じられます。クラフト氏はカナダ大使時代、北米自由貿易協定に代わる新しい協定である「USMCA」の交渉において、粘り強い調整能力を発揮しました。専門的な外交官のキャリアではなく、実業家としての背景を持つ彼女だからこそ、既存の枠組みにとらわれない柔軟な交渉が期待できるかもしれません。複雑化する現代の国際情勢において、彼女の対話スキルが試されることになるでしょう。
長期にわたる不在期間を経て、ようやく体制が整った米国代表団ですが、山積する課題は決して少なくありません。イラン情勢や北朝鮮の核問題、さらには気候変動への対応など、国連を舞台にした議論はどれも一筋縄ではいかないものばかりです。2019年08月01日現在、クラフト氏がこれからニューヨークの国連本部でどのような存在感を示していくのか、彼女の最初の一歩が今後の国際秩序に大きな影響を与えることは間違いありません。