コンビニ大手のローソンが、2019年08月01日より、これまでの常識を覆す画期的な実証実験に乗り出しました。今回の試みは、店舗へ商品を届け終えた後の「帰り便」のトラックを活用し、店舗で発生した廃棄食品を回収するというものです。まずは東京都内の3店舗からスモールスタートし、2021年02月28日までには関東エリアの約400店舗へと規模を拡大する計画を立てています。
これまでは、店舗で出た廃棄食品の処理は専門の運搬業者に個別に委託されており、各店舗からリサイクル工場へと直接運ばれるのが一般的でした。しかし、この手法では多くの車両が必要となり、非効率さが課題となっていたのです。今回の実験では食品卸大手の三菱食品などと強力なタッグを組み、物流の最適化を図ります。具体的には、千葉県市川市にある物流センターから出発した配送車が、商品を下ろした後の空きスペースを利用して廃棄食品をピックアップします。
ドライバー不足と環境問題に一石を投じる「バックハウル」の可能性
今回の取り組みの鍵となるのは、専門用語で「バックハウル(帰り便輸送)」と呼ばれる手法です。これは配送を終えて本来なら空で戻るはずの車両に別の荷物を載せることで、輸送効率を最大化させる仕組みを指します。SNS上では「トラックの無駄な動きが減るのは素晴らしい」「業界全体に広がってほしい」といった、効率化に対する好意的な意見が多く寄せられており、一般消費者の関心の高さがうかがえるでしょう。
この仕組みが確立されれば、物流業界が直面している深刻なドライバー不足の解消に大きく貢献するはずです。また、稼働する車両の総数を抑制できるため、地球温暖化の原因となる二酸化炭素(CO2)の排出量削減も期待できるでしょう。企業の社会的責任として環境負荷を減らす姿勢は、これからの時代において消費者から選ばれるための必須条件といっても過言ではありません。無駄を省き、持続可能な社会を目指すローソンの姿勢は非常に合理的です。
回収された食品は、そのまま捨てられるわけではありません。センターに集約された後、運搬企業の手によってリサイクル工場へと運ばれ、高品質な家畜の飼料へと生まれ変わる予定です。その後、畜産農家へと提供されるという循環型サイクルが構想されています。私は、単なるコスト削減に留まらず、食品ロスを資源として再定義するこのプロジェクトが、日本のコンビニ物流の新たなスタンダードになることを確信しています。