2019年10月01日の消費税率引き上げまで残り2ヶ月を切る中、現場では緊張感が高まっています。帝国データバンクが実施した最新の調査によれば、静岡県内に拠点を置く企業のうち、46.7%が軽減税率への準備を「特に行なっていない」と回答したことが明らかになりました。この数字は、制度開始を目前に控えた時期としては驚きを持って受け止められています。
そもそも軽減税率とは、特定の品目の税率を標準の10%ではなく8%に据え置く制度を指します。対象は主に「酒類・外食を除く飲食料品」や「週2回以上発行される新聞」ですが、この区別が非常に複雑です。例えば、店内で食べるか持ち帰るかで税率が変わるため、レジシステムの改修や受発注フローの見直しが不可欠となります。しかし、多くの企業がその対応に苦慮しているのが現状でしょう。
SNS上では今回の調査結果に対し、「自分の会社もまだ何も決まっていない」「現場のオペレーションが混乱するのは目に見えている」といった不安の声が数多く投稿されています。特に小規模な店舗や中小企業からは、多忙な日常業務の中でシステム導入のコストや手間を捻出できないという切実な悲鳴が上がっており、対応の遅れは個別の努力不足というよりも、制度自体の難解さに起因している印象を受けます。
中小企業のハードルと求められる公的支援の形
今回の調査で特に顕著だったのは、規模が小さな企業ほど対策が後手に回っているという事実です。大企業が先行してレジ改修を進める一方で、地域経済を支える中小企業では、何をどこから手をつければ良いのか判断がつかない「準備の迷子」が発生しています。行政には、単なる制度の説明に留まらず、補助金の活用方法や具体的な事務手続きについて、より足腰の強い丁寧な伴走型支援を提供することが求められるでしょう。
私は、このまま2019年10月01日を迎えてしまえば、消費者の混乱はもちろん、事業者の事務負担が限界を超えてしまうのではないかと危惧しています。軽減税率は消費者の家計を助ける側面もありますが、支える側の企業が疲弊しては本末転倒です。今こそ、官民が一体となって情報の格差を埋める努力が必要です。この記事を読んでいる経営者の方は、まずは身近な商工会議所などへ相談することから始めてみてはいかがでしょうか。