2019年10月01日の消費税率引き上げまで、残すところあと2カ月あまりとなりました。今回の増税では、生活に密着した食料品などの税率を8%に据え置く「軽減税率制度」が導入されるため、私たちのランチタイムやティータイムの風景が大きく様変わりしようとしています。特に外食産業においては、店内で食事をする場合とテイクアウトする場合で適用される税率が異なるため、各メーカーは非常に複雑な対応を迫られている状況なのです。
こうした中、大手外食各社の対応は大きく二つの陣営に分かれつつあります。ドトールコーヒーショップやモスバーガーなどが採用するのは、本体価格にその都度税金を加算する「税抜き表示」をメインに据える手法です。レジで「店内か、お持ち帰りか」をスタッフが確認し、それに応じて10%か8%の税率を適用します。この方式は、企業側にとっては利益を確保しやすい一方で、消費者にとっては最終的な支払い額が会計時まで分かりにくいという側面も否定できません。
一方で、徹底した顧客目線を貫こうとしているのがサイゼリヤやケンタッキーフライドチキンです。これらの企業は、店内飲食と持ち帰りで本体価格を微調整することにより、消費者が支払う「税込み価格」を統一する方針を打ち出しました。この「税込同一価格」という戦略は、たとえ増税後であっても支払う金額が常に一定であるため、計算の煩わしさが一切ありません。ワンコインで食事ができるといった利便性を守る姿勢は、多くのファンから支持を集めるでしょう。
SNS上では、こうした各社の対応の違いについて早くも活発な議論が交わされています。「レジで聞かれるのが面倒だから、一律価格の店を選びたい」といった利便性を重視する声がある一方で、「少しでも安く済ませたいから、8%の持ち帰りを積極的に活用したい」という節約志向の意見も目立ちます。また、同じチェーン店であっても、状況によって支払額が変わる仕組みに対して「複雑すぎて混乱しそう」と不安を口にするユーザーも少なくないようです。
編集者の視点から言わせていただければ、今回の対応の違いは単なるシステムの問題ではなく、各ブランドが「何を大切にしているか」という哲学の表れだと感じます。利便性を取るか、原価率の適正化を取るか。どちらが正解というわけではありませんが、私たち消費者は2019年10月01日以降、これまで以上に「どこで、どう食べるか」を選択するリテラシーが求められるはずです。企業の経営努力を理解しつつ、賢く使い分けていきたいものですね。