欧州連合(EU)の統計局が2019年07月31日に発表した最新のデータによると、2019年04月から06月期におけるユーロ圏の実質GDP(国内総生産)速報値は、年率換算で0.8%の成長にとどまりました。2019年01月から03月期には1.8%という力強い数字を記録していただけに、今回の減速は市場に小さくない衝撃を与えています。
実質GDPとは、国や地域の中で一定期間に生み出された付加価値の合計から物価変動の影響を除いたもので、経済の健康状態を測る最も重要な指標の一つです。今回の結果を受けて、SNS上では「欧州の景気後退が現実味を帯びてきた」「かつての勢いが感じられない」といった、先行きを不安視する声が数多く寄せられています。
この景気減速の主な要因として挙げられるのが、ユーロ圏の経済を牽引する「機関車」とも評されるドイツの苦戦です。米中間の貿易摩擦が激化し、世界的に貿易が縮小する中で、輸出主導型のドイツ経済は大きな打撃を受けています。製造業を中心に、これまでのような力強さが失われつつあるのが現状と言えるでしょう。
不透明な外部環境が落とす影
さらに、英国のEU離脱(ブレグジット)を巡る混迷も、企業の投資意欲を削ぐ大きな要因となっています。離脱の形がいつまでも決まらない不透明な状況は、経済活動にとって最大の毒薬です。現場の編集者としての視点で見れば、外部環境の悪化が複合的に重なり、欧州全体が足踏みを余儀なくされている印象を強く受けます。
今の欧州に必要なのは、単なる金融政策によるテコ入れだけでなく、政治的な安定と新たな成長産業への投資ではないでしょうか。ドイツがかつての輝きを取り戻せるのか、それとも長期的な停滞の入り口に立っているのか、世界中の投資家が固唾を呑んで見守っています。2019年後半の動向から、ますます目が離せなくなりそうです。