ロシアにおいて政権批判の先頭に立つ反体制派の指導者、アレクセイ・ナワリヌイ氏の身に不可解な事態が発生しました。2019年7月27日、未許可のデモを呼びかけたとして身柄を拘束されていたナワリヌイ氏は、拘置所内で突如として顔の腫れや皮膚の炎症といった激しいアレルギー症状を訴え、救急搬送されました。一時は入院治療を受けていた同氏ですが、驚くべきことに2019年7月29日には、医師団の制止を振り切るような形で再び拘置所へと連れ戻されてしまったのです。
退院に際してナワリヌイ氏は、自身のブログなどを通じて「私は毒を盛られたと考えるべきだろうか」との疑念を公に示しました。これに対し、SNS上では「プーチン政権による卑劣な弾圧ではないか」「過去の事件を考えれば偶然とは思えない」といった怒りの声が爆発的に広がっています。一方で、当局側はあくまで「重度のアレルギー反応」であると主張しており、双方の主張は真っ向から対立している状況です。緊迫するロシア情勢から、世界中のメディアがこの動向を注視しています。
ここで言う「反体制派」とは、現政権の方針に異を唱え、民主化や汚職撤廃を求める勢力を指します。ロシアでは過去にも、政権を厳しく批判してきたジャーナリストや元情報機関員が、毒物によって健康を害したり命を落としたりする事件が繰り返されてきました。今回のナワリヌイ氏の症状も、こうした暗い歴史を彷彿とさせるため、単なる体調不良として片付けるにはあまりに不自然な符合が重なっていると言わざるを得ません。
個人的な見解としては、拘束中の人物がこれほど深刻な症状を呈しながら、十分な静養期間も与えられずに再拘束されるという強硬な姿勢に、ロシア当局の焦りを感じます。デモの勢いを削ぐために、手段を選ばず口封じを図ろうとしていると邪推されても仕方のない対応ではないでしょうか。ナワリヌイ氏という象徴を排除しようとする動きが、かえって民衆の連帯を強めてしまう可能性も十分に考えられます。公正な第三者機関による調査が行われない限り、この疑惑が晴れることはないでしょう。