私たちの食卓に欠かせない牛乳の供給に、少し心配なニュースが飛び込んできました。2019年08月01日、業界団体であるJミルクは今年度の生乳生産見通しを更新し、当初の予想を下方修正すると発表したのです。生乳とは、牛から搾ったばかりの加熱殺菌を行う前の乳を指しており、これが加工されて牛乳やチーズになります。最新の予測によれば、2019年度の総生産量は前年度より0.6%ほど上回る732万3000トンに留まる見込みです。
今回の下方修正には、昨年の記録的な気象状況が深く関わっています。実は2018年の夏に日本を襲った猛暑が、牛たちの繁殖活動に影響を与えてしまったのです。専門的な言葉で「種付け」と呼ばれますが、これは乳牛がミルクを出すために必要な妊娠のプロセスを指します。暑さで牛の体力が落ちて種付けがうまくいかなかった結果、2019年04月から05月にかけての出産頭数が減り、それがそのまま生乳の生産スピードを鈍らせる原因となりました。
地域ごとの動向に目を向けると、日本の酪農の拠点である北海道と、それ以外の地域である「都府県」では明暗が分かれています。広大な土地を持つ北海道では増産が期待されていますが、本州以南の都府県では厳しい減産が続く見通しでしょう。この地域差は、酪農家の高齢化や猛暑の影響を受けやすい飼育環境の違いが鮮明に出た形と言えます。SNS上では「最近バターが品薄なのはこのせいか」「農家さんを応援したい」といった切実な声が数多く上がっています。
編集者の視点からお伝えすると、このわずかな下方修正が市場に与える心理的な影響は無視できません。生産量が0.6%増とプラスを維持している点は救いですが、自然を相手にする酪農がいかに気候変動に左右されやすいかを改めて痛感させられます。私たちは安価に乳製品を楽しめることに感謝しつつ、持続可能な酪農支援について真剣に考える時期に来ているのかもしれません。今後の生産動向を注視しながら、酪農家の方々が安心して生産を続けられる環境作りを願うばかりです。