【2019年学力調査】中3英語「話す」力の課題が浮き彫りに!国語・算数で求められる「思考力」を伸ばす教育現場の最前線

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2019年08月01日、文部科学省が実施した全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)の結果が公表され、教育界に大きな衝撃が走っています。今回、中学校英語で初めて導入された「話すこと」に関する調査において、平均正答率が30.8%に留まった事実は見逃せません。グローバル化が加速する現代社会において、英語で自分の考えを即座に伝えるスキルの習得は急務と言えるでしょう。SNS上でも「英語を話す機会の少なさが露呈した」「これからの授業はどう変わるのか」といった保護者や教員からの切実な声が数多く寄せられています。

一方で、国語や算数・数学においても、単なる知識の暗記ではなく「思考力」や「表現力」がこれまで以上に問われる傾向が強まっています。例えば、小学校国語の調査で出題された「公衆電話が必要な理由を説明する問題」では、読み取った情報を整理し、論理的な文章にまとめる力が求められました。こうした、複数の情報を結びつけて自分の言葉で再構築する力こそ、これからの不透明な時代を生き抜くために不可欠な能力です。各自治体では、子供たちの課題を克服するための革新的な取り組みが既に始まっています。

茨城県教育委員会では、教員同士が知恵を出し合う「共同研修」に力を注いでいます。指導主事の鈴木優子さんは、子供たちが情報を統合して適切に表現する力には、まだ改善の余地があると分析しています。そこで、近隣校の教員が集まって質の高い指導案を練り上げることで、授業の質を底上げしようと試みているのです。現場の先生方が孤立することなく、成功事例や課題を共有する姿勢は、教育の質を高めるための最も確実な近道ではないでしょうか。こうした草の根の活動が、子供たちの「書く力」を着実に育んでいます。

また、全国トップクラスの正答率を維持している石川県では、金沢大学と連携したデータ分析を行っています。学力テストの結果を精査し、どのような指導が効果的なのかを科学的に検証するアプローチは、非常に説得力があります。教育経験という感覚的なものだけでなく、客観的なデータに基づいて改善策を講じる姿勢は、まさにエビデンス(科学的根拠)に基づいた教育の先駆けと言えるでしょう。大学との連携によって、教育委員会が持つ知見がより深化し、それが現場へと還元される好循環が生まれている様子が伺えます。

自発性を引き出す授業の工夫と専門家の視点

学校現場の最前線でも、情熱的な教諭たちによる新しい挑戦が続けられています。神奈川県三浦市立三崎中学校で国語を教える三冨洋介教諭(31歳)は、生徒に授業計画を公開するという斬新な手法を取り入れました。これは、生徒が学習のゴールをあらかじめ把握することで、「今日は何を学ぶべきか」という見通しを持たせる狙いがあります。さらに、授業の一部を生徒が自由に活動を選べる時間とするなど、主体的な学びを促す工夫は、子供たちの好奇心に火をつける素晴らしい試みだと私は確信しています。

こうした教育の変革について、教育工学の権威である早稲田大学の田中博之教授は、今回の調査問題が「身近な生活課題に対し、論理的に説明すること」を重視していると指摘します。ここで重要となるのが「探究活動」というキーワードです。これは、生徒が自ら問いを立て、調査や議論を通じて解決策を見出す学習法を指します。教科書の内容をなぞるだけでなく、読んだ内容を自分の言葉で誰かに説明する活動を増やすことが、これからの学力を形成する鍵となるでしょう。教育の質的転換は、今まさにこの瞬間も進行しているのです。

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