JR北海道が、企業としての新たな柱を築くべく大規模太陽光発電、いわゆる「メガソーラー」事業に乗り出すことを決定しました。舞台となるのは北海道岩見沢市にある広大な土地で、2019年8月1日現在、2020年春の稼働開始を目指して着々と建設工事が進められています。鉄道会社がエネルギー事業へ本格的に参入するというニュースは、地域経済の活性化やインフラ企業の多角化という観点からも、大きな注目を集めているようです。
今回のプロジェクトで特筆すべき点は、かつて鉄道の要所として機能していた「空知運転所」の跡地を活用していることでしょう。1994年に惜しまれつつも廃止された車両基地が、四半世紀の時を経て、クリーンエネルギーを生み出す最先端の拠点へと生まれ変わるのです。SNS上では「思い出の場所が有効活用されるのは嬉しい」「広大な遊休地を持つJRならではの戦略だ」といった、ポジティブな反響が数多く寄せられています。
遊休地の活用と固定価格買い取り制度による安定収益の確保
建設される発電設備の出力は1400キロワットを誇り、年間発電量は一般家庭の約481世帯分に相当する213万キロワット時が見込まれています。投資額は約4億円にのぼりますが、国が定める「FIT制度」によって安定した収益が見込める計算です。このFITとは「固定価格買い取り制度」の略称で、再生可能エネルギーで作られた電気を、電力会社が一定期間同じ価格で買い取ることを国が約束する仕組みを指します。
JR北海道は、1キロワット時あたり18円という単価で、20年間にわたり北海道電力へ売電を行う予定となっています。これにより年間約4000万円の収入が得られる見通しで、投資した費用はおよそ17年で回収できるというシミュレーションが立てられました。施設の施工や日々のメンテナンスについては、実績豊富な大和ハウス工業が担当するため、技術的な信頼性も非常に高いと言えるのではないでしょうか。
編集者の視点として、今回の取り組みは単なる収益確保以上の意味を持っていると感じます。厳しい経営状況が続くJR北海道にとって、鉄道以外の分野で安定した「外貨」を稼ぐ手段を持つことは、持続可能な企業運営に欠かせない英断です。また、広大な土地を所有する鉄道事業者が、環境負荷の低い太陽光発電を推進することは、SDGs(持続可能な開発目標)が叫ばれる現代において、社会的責任を果たす素晴らしいモデルケースになるでしょう。