2024年9月現在、大阪公立大学の東雅之教授らが、関西化工(大阪府吹田市)との共同研究により、水質浄化に役立つ微生物の集合体「バイオフィルム」を効率よく形成させる新しい素材を発見しました。この研究では、発泡ポリプロピレンと呼ばれる発泡構造を持つプラスチックが、従来の素材に比べて微生物の付着を大幅に増加させることが明らかになりました。バイオフィルムの形成量は、発泡していない素材に比べて約44倍に達し、さらに窒素化合物の除去速度も向上するという画期的な結果が得られました。
バイオフィルムとは、微生物が集まり互いに支え合いながら膜状の構造を形成したもので、自然界では川や湖、さらには水処理施設などで見られます。この膜は、窒素化合物などの有害物質を分解する能力を持つため、水質浄化の分野で非常に重要な役割を果たしています。しかし、バイオフィルムを効率的に形成するための適切な基盤素材を見つけることは、これまで大きな課題とされていました。
今回の研究で注目された発泡ポリプロピレンは、表面が発泡しているため、表面積が大きく、微生物が付着しやすい特性を持っています。これにより、バイオフィルムがより効率的に形成され、窒素化合物を分解する微生物がその性能を最大限に発揮できるようになります。実験では、発泡ポリプロピレンを使用することで窒素化合物の分解速度が大幅に短縮されることも確認されました。
この技術は、水質浄化を目的とした施設や環境保全の現場で大きな可能性を秘めています。例えば、汚水処理や自然環境の保護といった分野での応用が期待されており、さらに持続可能な水環境の実現に貢献することでしょう。
SNSでは「日本の技術が水質浄化の未来を切り開く」「環境問題解決への一歩に期待」といった声が広がっています。この新たな発見が実用化されれば、地球規模の水資源問題に対する強力な解決策となり得るでしょう。大阪公立大学と関西化工の研究が、環境技術の新たなスタンダードを築く日が来るかもしれません。