東北大学が、人工知能(AI)を基軸とした大学ブランドの再構築に向けて、極めてダイナミックな舵取りを見せています。2019年08月01日、同大学はAI技術の活用を推進し、次世代の産業界を支えるリーダー育成を加速させる方針を明らかにしました。特筆すべきは、大学発となる初のAIスタートアップ企業「Adansons(アダンソンズ)」の誕生です。この新進気鋭の企業は、医療診断の精度を飛躍的に高めるための、データの「可視化」技術の開発に本格着手しています。
この可視化技術とは、AIが膨大なデータからどのように結論を導き出したのか、その思考プロセスを人間が理解できる形で見せる仕組みを指します。本来、AIの判断は「ブラックボックス」になりがちですが、命に関わる医療現場では、なぜその診断に至ったのかという根拠が不可欠でしょう。SNS上では「国立大学が本気で起業を支援する時代が来た」「医療ミスを防ぐ鍵になるかもしれない」と、革新的なアプローチに対する期待の声が次々と寄せられており、大きな関心を集めています。
さらに教育面でも、2020年度からは全国的に見ても非常に野心的な取り組みがスタートする予定です。約2400名にのぼる全新入生を対象として、プログラミング言語「Python(パイソン)」を含む情報科目を必修化することが決定されました。Pythonは、その文法のシンプルさと汎用性の高さから、現代のAI開発において世界標準となっている言語です。これを全学部の学生が学ぶという事実は、文系理系を問わず、これからの時代にはデジタルリテラシーが必須であるという大学側の強いメッセージと言えます。
私は、この東北大学の試みこそが、日本の停滞したIT競争力を底上げする特効薬になると確信しています。単に技術を教えるだけでなく、実際にスタートアップとして社会実装まで繋げるエコシステムは、学生にとって最高の刺激になるはずです。AI人材の不足が深刻な社会問題となる中で、「AIに強い大学」としての地位を確立しようとする姿勢は、非常に賢明な戦略ではないでしょうか。最先端の知見が集まる杜の都から、日本の未来を照らす新たな知性が続々と誕生することを願ってやみません。